かたこり

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

名詞[編集]

かたこりり】

  1. 首の後ろから肩にかけての箇所に、筋肉疲労などの不快感を感じること。

関連語[編集]

語源[編集]

夏目漱石』(1910年新聞掲載)の以下の箇所が、この症状について「凝った」と言う表現を使用した初出とされる。

座敷へ来て見ると、御米はを寄せて、右の手で自分の肩を抑えながら、まで蒲団の外へ乗り出していた。宗助はほとんど器械的に、同じ所へ手を出した。そうして御米の抑えている上から、固くの角を攫んだ。
「もう少し後の方」と御米が訴えるように云った。宗助の手が御米の思う所へ落ちつくまでには、二度も三度もそこここと位置を易えなければならなかった。で圧してみると、頸と肩の継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝っていた。御米は男の力いっぱいにそれを抑えてくれと頼んだ。

但し、同年発表の文書にはすでに以下の表現がある。

一體唐は詩賦文章の時代で、經學の如き肩の凝るものは嫌ひであつた。(狩野直喜 『日本國見在書目録に就いて』)

また、江戸末期の書籍にも「痃癖の凝り」といった表現が見られるため、漱石にのみ帰されるかは一概に言えない(新聞を通して全国に広まったという可能性はある)。なお、この表現が一般的になる以前は「肩が張る」「打肩うちがた」等の表現を用いていた。

上杉といふ苗字をば宜いことにして大名の分家と利かせる見得ぼうの上なし、下女には奧樣といはせ、着物のながいを引いて、用をすれば肩がはるといふ(樋口一葉『ゆく雲』)

翻訳[編集]

  • 肩が凝ります。
  • 英語:I have stiff shoulders.