ごし

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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こし 、 こじ 、および ごじ も参照。

日本語[編集]

接尾辞:越し[編集]

ごしし】

  1. 場所物体を表す言葉に付き、動作対象にそれがあることを表す。
    • 玻璃越しに、山を眺め、海を眺め、田を眺め、茅屋を眺め、煙突を眺め、荷車を眺め、行人を眺めて(大町桂月「親馬鹿の旅」)〔1907年〕[1]
    • 「青蘭」の二階のボックスから、窓越しに向いの煙草屋の表二階が見えるのだが(大阪圭吉「銀座幽霊」)〔1936年〕[2]
    • だから私もそのアトから静かに這入って、運転手と機関長の背中越しにジッと様子を聞いてみると、水夫長が激昂するのには、やはり相当の理由があった。(夢野久作「幽霊と推進機」)〔1933年〕[3]
  2. 期間を表す言葉に付き、その期間にわたって物事や状態が続いてたことを表す。
    • たとえば、どこのお母さんでも、お子さんの学校の問題には頭をなやましておいでです。六・三制になって、校舎がない、教科書が足りない、という声は三年越しです。(宮本百合子「今年こそは」)〔1948年〕[4]
    • ところで今年になって、この三十年越しの「サラダの謎」が、いとも簡単に解けてしまった。(中谷宇吉郎「サラダの謎」)〔1960年〕[5]
    • ふりかえると念丈の頂の雲のとばりは静々と引きあげられて、三日越しの雨空が、徐々に退却して行くらしかった。(細井吉造「二つの松川」)〔1936年〕[6]
    • 宵越し
  3. 通過すること。その際の感覚。
    • 喉越し

語源[編集]

越す」の連用形より。

翻訳[編集]

語義1

語義2

接尾辞:漉し[編集]

ごしし】

  1. 漉すこと。
    • 裏漉し。絹ごし。

接尾辞:腰[編集]

ごし

  1. 腰部に関連するもの。
    • 中腰。二枚腰。払腰。丸腰。柳腰。
  2. 態度
    • 及び腰。喧嘩腰。逃げ腰。粘り腰。へっぴり腰。本腰。物腰。弱腰。

接尾辞:輿[編集]

ごし輿

  1. 輿
    • 手輿。板輿

同音異義語[編集]

ごし

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  1. 青空文庫(2008年8月25日作成)(底本:「桂月全集 第二卷 紀行一」興文社内桂月全集刊行會、1922年7月9日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000237/files/48423_32397.html 2019年12月8日参照。
  2. 青空文庫(2007年9月1日作成)(底本:「とむらい機関車」国書刊行会、1992年5月25日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000236/files/1269_28162.html 2019年12月8日参照。
  3. 青空文庫(2004年2月19日作成)(底本:「夢野久作全集6」ちくま文庫、筑摩書房、1992年3月24日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2104_14850.html 2019年12月8日参照。
  4. 青空文庫(2003年6月4日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十五巻」新日本出版社、1986年3月20日第4刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3276_10942.html 2019年12月8日参照。
  5. 青空文庫(2012年12月14日作成)(底本:「中谷宇吉郎随筆集」岩波文庫、岩波書店、2011年1月6日第26刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/53204_49673.html 2019年12月8日参照。
  6. 青空文庫(2009年6月21日作成)(底本:「山の旅 大正・昭和篇」岩波文庫、岩波書店、2007年8月6日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001377/files/49590_35561.html 2019年12月8日参照。