しめる

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日本語[編集]

動詞:占める[編集]

しめるめる】

  1. 場所空間などを占有する。
  2. 該当する人・物・意見などが、全体のうちのある割合をとる
    • この政党の支持者が半分以上を占める
  3. (「味をしめる」の形で)多く不道徳なことがらについて、うまみを知る。
  4. (「しめた」の形で)ことがうまくいくさま。感動詞的にも用いる。
    • この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません犍陀多は両手を蜘蛛の糸にからみながら、ここへ来てから何年にも出した事のない声で、「しめたしめた。」と笑いました。 (芥川龍之介『蜘蛛の糸』)〔1918年〕[1]
    • しめたと思ってナイフで突き外して、中に入って、もとの通りに締めて、廊下の突き当りの袋戸から蚊帳と蒲団を出して応接間に敷いて、大の字になりながら窓際に並べてある朝顔の鉢を見ているうちに、グッスリ睡ってしまった。 (夢野久作『ざんげの塔』)〔1927年〕[2]
    • どうか頼むから今晩のうちに閣下夫人の御意を得てくれな。そうなったら占めたものだ。夫人のお取りなしで俺は秘書官首席になれるぞ。 (アントン・チェーホフ神西清『頸の上のアンナ』)

活用[編集]

語源[編集]

等により領域を明確にする」を原義とする

動詞:閉める・締める・緊める・絞める・〆める[編集]

しめるめる, める, める, める, める, める】

  1. (閉める) 通れない状態にする。
    • 戸を閉める
  2. (締める、緊める) きつくする。
    • ねじを締める
  3. (締める、緊める) 括約筋に力を入れる。
  4. (絞める) 圧迫する。
    • 首を絞める
  5. (閉める、締める、〆める) おわる最後にする。
    • 店を閉める(1.営業を一時的にやめる、その日の営業を終了する。2.経営をやめる、店をつぶす)
    1. 募集打ち切るしめきりにする。
    2. ある食べ物を最後に飲食やめる
      • 最後はお茶漬けでしめよう。
    3. ある言葉で発言を終える。しめくくる
  6. (締める、〆める) 生きている動物食用にするために処理する。
  7. (締める、〆める) 酢や塩などを使って水分やなまぐさみを取る。
  8. (俗語)暴力脅迫などにより制裁を加える。
  9. (「締めて」「〆めて」の形で)すべてを合計して。

活用[編集]

語源[編集]

「何かを狭める」を原義とする。

関連語[編集]

翻訳[編集]

動詞:湿る・濕る[編集]

しめる湿る, る】

  1. (自動詞) 水分含む
  2. (自動詞) 気分ふさがる雰囲気が重苦しい。
  3. (自動詞) ふるわない。不調である。
    • 打線が湿る

活用[編集]

翻訳[編集]

動詞:染める[編集]

しめるめる】

  1. などを染色する。染める

活用[編集]

翻訳[編集]

助動詞[編集]

しめる

  1. 使役)勧めたり命じたりして、(前に付く動詞が意味する)動作を行うようにする。(前に付く動詞が意味する)状態を実現するようにする。「させる」「せる」と比べて文語調な印象を与える。
    • 枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。(日本国憲法前文)〔1946年公布〕
    • そして日本は一番正しいのであるし、敵は残忍であり醜悪であるということを言葉に文章に信ぜしめようとして来た。(小川未明「子供たちへの責任」)〔1946年〕[1]
    • 椎の若葉に光りあれ、我が心にも光りあらしめよ。(葛西善藏「椎の若葉」)〔1924年〕[2]

用法[編集]

動詞の未然形に付く。

活用[編集]

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
しめ しめ しめる しめる しめれ しめよ 動詞下一段型

類義語[編集]

複合語[編集]


[編集]

  1. 青空文庫(2018年3月26日作成)(底本:「定本小川未明童話全集 14」講談社、1983年1月19日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/52388_64343.html 2020年3月24日参照。
  2. 青空文庫(2011年5月5日作成)(底本:「子をつれて 他八篇」岩波文庫、岩波書店、2009年2月19日第9刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000984/files/51222_42841.html 2020年3月24日参照。