には

日本語

助詞

には（複合助詞:助詞「に」+係助詞（副助詞）「は」）

1. 格助詞「に（時、場所、行為の対象　など）」で表現される語句を取り立てたり対比させたりする。
   • （時）冬には、はつきり、よく見える。（太宰治『富嶽百景』）
   • （場所）桜の樹の下には屍体が埋まっている！ これは信じていいことなんだよ。（梶井基次郎 『桜の樹の下には』）
   • （行為の対象）このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。（太宰治『走れメロス』）
2. 主語が敬意対象である場合の婉曲表現。
   • 然るにM男爵閣下には小生のかような窮状を見て呵々大笑されました。（夢野久作 『暗黒公使』）
3. 接続助詞「に」で表現される語句を取り立てたり対比させたりする。
   • （発言・主張）彼が言うには、家族は誰も自宅にはいなかったそうだ。
4. 「動詞連体形+には+同じ動詞」の形で、とりあえずする、留保つきでする、といったニュアンスを表す。
   • 読むには読んだが、内容はほとんど理解できなかった。

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古典日本語

名詞

には【庭】

1. 家屋などの周囲にある露天の平（たい）らな土地。
2. 物事が行（おこな）われる場所。
3. 海上。海面。

発音

二拍名詞一類^(?)

• (平安時代)にふぁ
• (南北朝時代)にわ
• (室町時代)にわ
• (江戸時代)にわ

諸言語への影響

• 現代日本語: にわ

助詞

には（複合助詞:格助詞「に」+係助詞「は」）

1. （現代日本語に同じ）

複合助辞

には（助動詞「なり」+係助詞「は」）

1. ～では。