まげる

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日本語[編集]

動詞[編集]

まげる【げる、げる】

  1. 棒状又は板状のものの両端を近づける方向にを加えるように形を変えること。
    • だが、ペンチをにぎる手は冷えきって、鋼条をちょっとまげるのにも、たいへんだった。(海野十三 『太平洋魔城』)
  2. 移動において進行方向に対して、又はに進行方向を変えること。
  3. 適用すべきルールを、適用しないこと。
    • 情状不憫にも思うが、天下のご法度まげることは相成らぬ。遠島申しつけられるよう上へ上申するから、さよう心得ろ!」(佐々木味津三 『右門捕物帖 卍のいれずみ』)
    • それがため事実をまげること――すなわち「嘘」をつくこと――すらあえて辞さないのである。 ですから法律発達の歴史を見ると、「嘘」は実に法律進化の仲介者たる役目を勤めているものであることがわかります。(末弘厳太郎 『嘘の効用』)
  4. 信念信条主張することを止め、譲歩すること。
    • 独自の見解をまげる必要はないではないか。あらゆる意見が同一でなければ夫婦とは申されないというなら、先ず夫婦というものは、この世に有りうべからざるものだと考えてマチガイはない。(坂口安吾 『安吾巷談 天光光女史の場合』)
  5. (古俗語)持ち物をに入れ、金を借りること。
    • 「実はこの羽織まげて幾らか融通したいと思ひましてね。」 K氏は著てゐる羽織に一寸眼を落しました。(薄田泣菫 『質屋の通帳』)

語源[編集]

  • 古典日本語「まぐ」より。

関連語[編集]

対義語[編集]

翻訳[編集]

  • 英語:(語義1)bend、(語義2)turn