トーク:スキンシップ

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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語源[編集]

Tmtmさん:[1]に関して、ニッポニカの「スキンシップ」の項目を確認しましたが、平井信義氏の寄稿のようです。そこでも「……に端を発しているようである」という表現なので、「……と平井信義は推測している」のように留保を明確にしたほうがいいのではないかと思います。また、セミナーでの発言が起源だという説について平井氏以外の情報源はないでしょうか? 田中良子(高松大学)「スキンシップ概念の検討 : 和製英語の導入と定着」1997/3/20 [2]をざっと確認しましたが、いくつかの文献で和製英語として扱われていること、平井氏の説明が時期によって異なっていること(表1)などが指摘されています。「あたかも英語であるかのようにして紹介された、英語の辞書にはないこの言葉が、明確な定義のないままに使われてきたために、さまざまな意味を付与されているのが実状である」ともあります。whym (トーク) 2014年11月23日 (日) 15:05 (UTC)[返信]

さしあたって、「和製英語ではない」と主張する言語学的文献は見当たらず、一方で上記のように「和製英語」説を明言するものがあったということで、カテゴリ「和製英語」は戻させていただきました。 --whym (トーク) 2018年3月20日 (火) 10:24 (UTC)[返信]

書き込む前に一言述べさせてください。茨城大学名誉教授の村野井均と申します。スキンシップという言葉は筑波大学心理学系の藤田統先生(元日本動物心理学会会長)が、「自分が作った言葉だ」と心理学の講義でおっしゃっていました。私も先生に確認を取ったことがあります。藤田先生は『マンウォッチングー人間の行動学』(デズモンド・モリス著、1980)を翻訳した方です。比較心理学者でしぐさやジェスチャーの生得性を重視する方です。当時テレビにもよく出ていました。一方、当時の筑波大学には、代理母実験で有名なH・ハーロウの研究所で学んできた竹村健一先生がいらっしゃいました。子ザルはミルクのもらえる針金製の母(人形)より、ミルクはもらえないがタオルで巻いた「柔らかくて暖かい」布の母にしがみついて過ごしたと日本では紹介されている実験です。従来はこの実験がスキンシップという言葉の根拠として使われていました。竹村先生により、実際の「布の母」は子ザルを落ち着かせるためにタオルを巻いた人形であり、実験室では一日1回しか替えないので、子ザルのおしっこで濡れて、冷たくて臭い人形だったことが伝わりました。これにより、スキンシップという言葉の根拠となる実験は無くなりました。また、欧米人にとってSkinは、むき出しの皮膚を指す言葉なため、「skinship」は肌と肌の関係やその約束を守るという意味になります。性的な意味を持つので、欧米人に使うと誤解されやすい言葉であることを指摘しました。それ以来、藤田先生はスキンシップという言葉を使っていません。スキンシップという言葉を使いたければ、どなたかの責任で新たに定義と根拠を示して使うべきだと思います。

用例[編集]

心理学では、Attachment(愛着)という言葉を使っています。

Skinshipを調べると Skinは、皮膚や肌、毛皮を示します。動物の剥製や水を入れる革袋を意味することもあります。 "-ship"は、抽象名詞を作る接尾辞で、以下の用例があります[1],[2]

  • 状態・精神: 友情(friendship)、騎士道精神(horsemanship)、スポーツマン精神(sportmanship)。親族(kinship)は、血縁関係を示すが、一族郎党など部族意識も含む。
  • 身分・地位: 著述業(authorship)、教授職(professorship)、貴族の尊称(lordship,ladyship)
  • 能力: 指導力(leadership)、社長・校長(headship)、治世(dictatorship)
  • 資格: 会員資格(membership)、職人の技能(workmanship)、奨学金(scholarship)

つまり人格、知性、意志のある名詞に付くと言えます。ヘッドシップ(headship,社長・校長)は、頭という体の一部につきますが、この場合、頭は人格や知性、意志を示していると言えます。したがって、英語では人格や意志を持たない皮膚(skin)に"-ship"をつけることはないと言えます。

人格や意志を持たない物に「シップ」をつけると、電信柱シップ、ブロック塀シップ、微生物シップなど日本語としてもおかしいことがわかります。 スキンシップを無理やり英語的に解釈すれば、大人と大人の肌と肌の関係やその状態ならびにその契約関係を守る意志を意味するでしょう。誤解を受ける和製英語なので使うべきでないでしょう

--Muranoi, H. (トーク) 2020年9月7日 (月) 07:34 (UTC)muranoi[返信]

  • こんにちは。他言語の言葉を取り入れて、勝手に進化させるという現象は、日本語に限らないどの言語でもあることです。和製英語はあくまでも日本語の語彙なので、英語としておかしい云々は、この言葉が正しい・正しくないに無関係です。このページでも「日本語」という見出しが掲げられています。辞書は、新たに言葉を定義するものではなく、実際の使用例から逆算して語義を記すものなので、日本語の中で〔肌と肌の触れ合いから生まれる心の交流〕という意味で「スキンシップ」という言葉を使う例が無視できないほどの数あるならば、辞書はそれをそのまま記す必要があります。なので「使うべきでない」といった指示や価値判断を、項目の方へ書くことはできません。
一方で、英語で"-ship"は"skin"に付くような性質の接辞尾ではないといったことは補足することはできると思います。ウィクショナリー英語版によると逆輸入の形でskinshipの用例が英語でもあるそうですが(en:skinship)、マイナーで英語としてはほとんど通じないだろうと個人的にも思います。アン・クレシーニの著作でも「私の経験と研究から見ると、ほとんどのネイティブスピーカーには通じないですね 」と記されてますので、こういった出典をもとに英語の中でskinshipはほとんど通じないという補足をこのページに記すことはできますし、有用な情報として求められるものだと思います。--Yapparina (トーク) 2020年9月11日 (金) 11:27 (UTC)[返信]
Yapparinaさん、ありがとうございます。議論のページに書くのが初めてなので、自分の主張を出した文を書いていますが、辞書に書く時は中立的、辞書的に書くつもりです。スキンシップは、1970年代に共稼ぎ世帯が増え、公立保育所設立運動が起きた時、福祉予算を増やしたくないので、「子育ては母親がすべき」という立場から使われた言葉です。今では、政府が保育所入所時の「待機児童ゼロ」を掲げる時代になりました。歴史的役割を終えた言葉だと思っています。イデオロギーが絡むので、心理学の言葉でありながら心理学からは書きにくい言葉です。2週間ほど意見を待ってから書こうと思います。中立的に書くつもりですが、今後もチェックをお願いします。--Muranoi, H. (トーク) 2020年9月12日 (土) 01:26 (UTC)[返信]

英英辞書の用例とアンさんの引用を書き込んでみました。ウィクショナリーのこのページ全体を見ると、辞書としての流れが悪いと思います。定義、用例、議論という流れで書いたほうが良いかと思います。後日チャレンジします。よろしくお願いします。--Muranoi, H. (トーク) 2020年9月27日 (日) 06:12 (UTC)[返信]

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  1. Longman Dictionary of the English Language, 1st ed., Longman Groupe Limited, Essex,England,1984
  2. Oxford Dictionary of English, 3th ed.,Oxford University Press,Oxford,England,2010