一意専心

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日本語[編集]

成句[編集]

   (いちいせんしん)

  1. 考えず、一つのことだけに注ぐこと。
    だから、家元ばかりはドンナ事があっても衣食に困らないようにして、芸道の研究に生涯を捧げ、時流に媚びず、批評家に過またれず、一意専心、自己の信念に向って精進せねばならぬ。(夢野久作『能とは何か』)

翻訳[編集]

出典[編集]

管子巻第16・内業第49

【白文】
賞不足以勸善、刑不足以懲過。氣意得而天下服、心意定而天下聽。摶氣如神、萬物備存。能摶乎、能一乎。能無卜筮而知吉凶乎。能止乎、能已乎。能勿求諸人而得之己乎。思之思之、又重思之。思之而不通、鬼神將通之。非鬼神之力也。精氣之極也。四體既正、血氣既靜、一意摶心、耳目不淫、雖遠若近。思索生知、慢易生憂、暴傲生怨、憂鬱生疾、疾困乃死。思之而不捨、内困外薄。不蚤爲圖、生將巽舍。食莫若無飽、思莫若勿致。節適之齊、彼將自至。
【訓読文】
以て勧むる足らず、は以て過ち懲らすに足らず。気意得ばすなは天下し、心意定まらば而ち天下聴くもっぱらにすること如く万物つぶさに存す。能く摶らならむか、能くいつならむか。能く卜筮すること無くして、吉凶知らむか。能くめむか、能くめむか。能くこれ求むることくして、に得むか。之を思ひ之を思ひ、重ねて之を思ふ。之を思ひてぜずんば、鬼神まさに之を通ぜむとす。鬼神の力に非ざるなり。精気極みなり。四体既に正しく血気既に静かに、意を一にし心を摶らにし耳目せずんば、遠し雖も近きごとし。思索じ、慢易を生じ、暴傲を生じ、憂鬱を生じ、疾困せばすなはす。之を思ひて捨てず、くるしみ薄るはや為さずんば、将にゆづらむとす。飽く無きくはく、思ひはきはむる勿きに若くは莫し。節適なるとき、将に自ら至らむとす。
【現代語訳】
恩賞はそれによって善行勧奨するほどの効果を持たず、刑罰はそれによって悪行を懲らしめるほどの効果を持たない。(君主が)意気を盛んにすれば天下心服し、(君主の)意志が定まれば天下は聴従する。精神集中して神のような叡智発揮すれば、万物の真理が手に取るように判る。精神を集中せよ、心を統一せよ。占いをせずに吉凶を知ることができる。(知を外部に求めるのを)やめよ、やめよ。知を他人に求めたりせずに、これを自ら手に入れよ。知について自分で考えに考え、また重ねて考える。知について考えて、それでも真理に到達できなければ、鬼神が到達させてくれるであろう。(だが、これは)鬼神の力によるものではない。その者の精気の極致によるものなのである。全身健全で、血液気息安静で、意識を統一し心を集中し、耳や目(の感覚)が乱されなければ、遠いものであっても近くにあるもののようにはっきりと知覚できる。思索すれば知を生じ、他者侮れ憂いを生じ、わがままに振る舞えば恨みを生じ、憂鬱は病気を生じ、病気が極まれば死んでしまう。好ましくない感情を捨てずにいると、内(=精神)は困しみ外(=肉体)は弱る。早いうちに処置しなければ、生命力はその居場所譲り渡してしまう。食事をする際には満腹になるまで食べない方がよく、思索をする際には思い詰めない方がよい。節度を守り平均していれば、生命力は自然と(己の身に)留まるのである。

関連語[編集]