出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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漢字[編集]

(学校では、博の「尃」部分をこの筆順で教えている)
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  • (「」の新字体)」を書く際に、右上に打点しこの字を書いてしまうことがあるが、「尃」と「専」は別字である。

字源[編集]

  • 形声。「」(戦国時代以降は「寸」と書かれる)+音符「(⿱屮田) /*PA/[字源 1]。「しく」を意味する漢語 /*ph(r)a/}を表す字。
    • 音符の「(⿱屮田)」は「」の原字(圃#字源の項目を参照)。『説文解字』では「」と説明されているが、これは誤った分析である。金文の形を見ればわかるように「甫」とは関係がない。[字源 2]
  1. 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、707-709頁。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、236-237頁。
  2. 何琳儀 『戦国古文字典』 中華書局、1998年、597-598頁。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、236-237頁。

関連字[編集]

」を音符とする形声文字 (諧声域=*PA~PAK)
幫母 滂母 並母
一等 平声 模韻 𥠵𧱹
上声 姥韻 簿
去声 暮韻 𤸵 𤸵
(過韻:
入声 鐸韻 𪙍𩌏𥴮 𦢸𥴮 簿𩍿𩽛
幫母 滂母 並母
二等 平声 麻韻
上声 馬韻 -
去声 禡韻
入声 陌韻 (麥韻:
幫母 滂母 並母
三等 平声 虞韻 𣞒𧀮
上声 麌韻
去声 遇韻 𠪻
入声 藥韻 - 𩅿
入声 陌韻 - - 𣝍

意義[編集]

  1. (布などを)平らに均す。

日本語[編集]

発音(?)[編集]

用例[編集]

この字を用いた数少ない例として、簿記学校が発行した簿記の教科書の前文に「尃した」と書いて「しるした」と読ませた箇所[2]があった。けれども、これは「簿した」[3]の誤りであり、またこの字の成り立ちからいって「尃す」を「しるす」と読ませるには無理がある。

熟語[編集]

中国語[編集]

*

熟語[編集]

コード等[編集]

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 『大きな活字の楷行草筆順・字体字典』江守賢治 三省堂 1983年における博、簿、薄の筆順
  2. 『ALFA 日商簿記』(各級、平成16年時点)大原簿記学校
  3. 『字訓』白川静(平凡社 1999年)