望蜀

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

日本語[編集]

名詞[編集]

ぼうしょく

  1. あるものを苦労して得ても、その苦労を忘れ別のものをほしがること。人の欲望に限りがないこと。
    • 要するに家塾を譲ると云ふことと、菅氏を名乗らせて阿部家に仕へさせると云ふこととの間には、初より劃然とした差別がしであつた。後に至つて山陽の「上菅茶山先生書」に見えたやうな問題の起つたのは、福山側の望蜀の念に本づく。(森鴎外『伊沢蘭軒』)

由来[編集]

後漢書岑彭伝

(白文)
人苦不知足、既平隴、復望蜀、毎一發兵、頭鬚為白。
(訓読文)
人足るを知らずして苦しむ、既に隴を平らげ、復た蜀を望む、一たび兵を發する毎、頭鬚は白み為り。
(現代語訳)
人というものは、満足することを知らないために苦しむものである、ようやく、を平定したかと思えば、すぐにを得ようとする。出兵する毎に、心配で髪と鬚に白いものが増えることである。
(解説)
後漢光武帝が、自責の念とあわせ岑彭へ送った書簡に見られる言葉。 三国志において、曹操が、積極をとろうとする司馬懿を戒める句として引用される。

関連語[編集]


中国語[編集]

成句[編集]

wàngshǔ

  1. (日本語に同じ)

同義句[編集]

中国語:得陇望蜀/得隴望蜀