玉砕

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玉碎 も参照。

日本語[編集]

名詞[編集]

(ぎょくさい)

  1. 名誉忠義のため潔く死ぬこと。
    • 友よ、自分は君の所謂「動物力」によつて未だに生きてゐる。さうしてその「動物力」の使嗾によつて自分たちの瓦全を何か意味あることのやうに思ひ、且つは君の玉碎を惜み悲しんでゐる。(佐藤春夫 『芥川龍之介を哭す』 - 芥川龍之介への追悼文、「玉砕」は龍之介の死の形容)
  2. 第二次世界大戦において、日本軍が、勝機がないにもかかわらず降伏を拒み、部隊が全滅するまで戦い続けたり、集団自決したこと。
    • ラバウル十万の将兵を無謀な玉砕に追いやることなく、地下に潜って百年持久の計をて、貴重な生命を救い得たのは、戦陣の中に、内村鑑三全集を読みたいと考えたその魂であったと思う。玉砕の名は美しいが、忍びがたきを忍んで、十万の生命を助けたのと、今から考えて、いずれが本当の勇気であったか。(野村胡堂『胡堂百話』)
  3. (語義2より)降伏せず全滅するまで戦い続けること。
  4. 失敗を恐れず果敢に挑戦すること。また、挑戦の結果として失敗すること。
    • 即ち、凡庸事を内容とする巧なる作品の過多である。作者の方では、なるべく手頃な材料をなるべく巧に描かんとする。評者の方では、描写の巧拙を以て作品の価値を律せんとする。両者相俟って、玉砕を捨て瓦全を取らんとするに至る。(豊島与志雄 『小説の内容論』)

由来[編集]

動詞[編集]