蛇足

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日本語[編集]

名詞[編集]

(だそく)

  1. 過剰にあることにより、元のものの価値を下げてしまうことやもの。
    <市中は物のにほひや夏の月>、芭蕉がそれにつづけて、<あつしあつしと門々の声>、これが既に、へんである。所謂、つき過ぎている。前句の説明に堕していて、くどい蛇足的な説明である。(太宰治『天狗』)
  2. 余計なもの、必要のないもの。

同義句[編集]

由来[編集]

  • 数人の男が蛇の絵の上手さを競い合い酒を争ったところ、最初に書き上げた男が余った時間で足を書き加え、結局蛇ではなくなったので勝負に負けたという故事より。
出典[編集]

戦国策・斉策より

【白文】
「楚有祠者 賜其舍人卮酒 舍人相謂曰 数人飲之不足一人飲之有餘 請畫地為蛇 先成者飲酒 一人蛇先成 引酒且飲之 乃左手持卮 右手畫蛇曰 吾能為之足 未成 一人之蛇成 奪其卮曰 蛇固無足 子安能為之足 遂飲其酒 為蛇足者 終亡其酒」
  • 【訓読文】
    楚に祠り有り。舍人に卮酒を賜ふ。舍人相謂いて曰く、数人にて、之を飲めば足らず、一人にて、之を飲めば餘有り。請う、地に書きて蛇をなし、先ず成れる者酒を飲まんと。一人の蛇先ず成る。酒を引きて且に飲まんとす。左手に卮を持ちて、右手に蛇を畫きて曰く、「吾能く之に足を為す」 未だ成らざるに、一人の蛇成る。其卮を奪いて曰く、「固より蛇に足無し。子安んぞ能く之に足を為さんか」 遂に其酒を飲む。蛇足を為す者、終に其酒を亡ふ。」
    【現代語訳】
    楚で祭りがあり、舍人(雑用係)に酒が振る舞われた。しかし、分けるには少なく、一人で飲めば余る量であった。ある人が「地面に蛇を描いて最初に描き上げた者がこれを独り占めすることにしよう」と提案した。ある者が描き上げ、まさに飲もうとした。左手に杯を持ち、右手で蛇を描きながら、「俺は足も描けるぞ」と言った。まだ描き上げないうちに、別の者が描き上げ、杯を奪って言った。「そもそも、蛇には足がないのに、どうして足が描けるんだ」と言って酒を飲んだ。蛇足を描いた者は、結局酒にありつけなかった。

中国語[編集]

名詞[編集]

 (shézú)

  1. 余分なもの。

同義句[編集]