連行

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日本語[編集]

名詞[編集]

 れんこう

  1. 連れ立っていくこと、一緒に行く。
    • 付近の集落を全部調査して、黒川村の飯山猟師の飼犬七歳のオス、肩の高さ四十一センチ、茶褐色、巻尾の体型の最優秀の柴犬をゆずり受け、坂下まで猟師に連行してもらって、そこでビールの空箱に入れて自転車の荷台につけ、新羽まで出、それから自動車に乗って、途中魚尾に一泊、藤岡に帰ることができました。(斎藤弘吉 『私の飼った犬』)
  2. 本人の意思にかかわらず、ある施設に連れて行き、拘束すること。特に、警官が事件の容疑者警察署等に連れて行くこと、強制連行。
  3. 続けて行う、連続する。
  4. (建築工学)液状流体に伴って空気等を混入させること。

語誌[編集]

  • 「連行」は、もともと字義そのままの「連れ立って行く」の義であり、漢語(中国語参照)にもその意味しかなく、「意に反して、意にかかわらず」の意味はない。
  • 「意に反して、意にかかわらず」の含意は、法令上、1948年制定警察官職務執行法第2条第3項の以下の箇所が初出と思われる(日本国語大辞典)。
    • 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
  • なお、この場合も、「その意に反して」と記載されており、法令上、注釈なく「意にかかわらず」の含意が見られるのは、国家公安委員会規則である犯罪捜査規範第128条の以下の条文。但し、警察官を伴う移動と言う単なる状況を指しているに過ぎないとも読みうる。
    • 逮捕した被疑者を連行し、又は護送するに当たつては、被疑者が逃亡し、罪証を隠滅し、自殺し、又はこれを奪取されることのないように注意しなければならない。
  • 以下のとおり、それ以前から文学作品等には用いられているので、警察の行政用語としては一般的であったか。
    • そして決心したように立上ると、参考人と云う名目で、金剛と不二の二人を連行して、本署へ引挙げることにした。(大阪圭吉 『闖入者』1936年 ここで、金剛と不二は事件の重要参考人又は容疑者)
  • 但し、他の行政用語においては、本来の用法で用いている。
    • 該船ニ韓語通弁樋口将一郎上野茂一郎同艦ニテ雇入連行(朝鮮事変弁理始末/3 馬関彙報 1 〔明治〕15年8月10日から〔明治〕15年8月15日/ 作成者: 外務省)

類義語[編集]

語義2

翻訳[編集]

語義4


中国語[編集]

動詞[編集]

 liánxíng 簡体字:连行

  1. 連れ立っていくこと、一緒に行く。

類義語[編集]