群盲象を評す

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日本語[編集]

成句[編集]

(グンモウ ゾウを ヒョウす)

  1. 視野の狭い者が多く集まり、銘々観点から理解したことを述べ、結果として物事の本質が見失われている状態喩え
  2. 視野の狭い者は、いくら集まったところで、本質を理解することは難しいと言うこと。また、小人物はスケールの大きな人を理解することができないと言うこと。
    • 早い話が堀川のお邸の御規模を拜見致しましても、壯大と申しませうか、豪放と申しませうか、到底私どもの凡慮には及ばない、思ひ切つた所があるやうでございます。中にはまた、そこを色々とあげつらつて大殿樣の御性行始皇帝煬帝に比べるものもございますが、それは諺に云ふ群盲の象を撫でるやうなものでもございませうか。(芥川龍之介『地獄変』)

同意別表記[編集]

  • 群盲評象
  • 群盲撫象群盲象を撫づ群盲象を撫でる
  • 群盲模象群盲象を模す

用法[編集]

  • 最近は、視覚障害者に対する差別的言辞として使用が避けられる傾向にある。

由来[編集]

仏教説話より、「阿含経」「六度集経」「北本涅槃経」「菩薩処胎経」等に見られる。以下に、「六度集経」より引用。

【白文】
王曰「將去以象示之」、臣奉王命、引彼瞽人將之象所、牽手示之。中有持象足者、持尾者、持尾本者、持腹者、持脅者、持背者、持耳者、持頭者、持牙者、持鼻者。瞽人於象所爭之紛紛、各謂己真彼非。使者牽還、將詣王所。王問之曰「汝曹見象乎」。對言我曹俱見。王曰「象何類乎」。持足者對言「明王象如漆筩」、持尾者言如掃帚。持尾本者言如杖。持腹者言如鼓。持脅者言如壁。持背者言言如高机。持耳者言如簸箕。持頭者言如魁。持牙者言如角。持鼻者對言「明王、象如大索」。復於王前共訟言「大王、象真如我言」。鏡面王大笑之曰「瞽乎瞽乎、爾猶不見佛經者矣」。

翻訳[編集]