おちこぼれ

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日本語[編集]

名詞[編集]

おちこぼれれ】

  1. 穀物などで、容器などから落ち散らばっている物。
    • 文永の昔、胆吹の弥三郎という山賊がこの山の頂上に腰をかけて、琵琶湖の水で足を洗いました、その時に湖水を取りひろげようとして土を運びましたが、その土の畚の中からの落ちこぼれが、あの竹生島や、沖ノ島になって残っているのだそうです。(中里介山『大菩薩峠』)〔1913年-1941年〕[1]
    • 既存装置の改良、使用量歩留りの改善: 設備からの飛散、落ちこぼれの低減 (文部科学省『平成21年度経済産業省委託調査報告書』)〔2009年〕[2]
  2. 全部処理しきれなかった余り物、残り物。
    • ううん、ただの、ありや、ちつぽけな會社ですよ。いずれ、あれこれと落ちこぼれの仕事をしたりこうなれば、なんと言うことはありません。(三好十郎『肌の匂い』)〔1949年〕[3]
  3. (語義1から転じて)体制競争適応できず、落ちて取り残された人。脱落者。
    • 大学に残らないと落ちこぼれであるという文化が大学にあると思うので、意識付けが重要である。(経済産業省、産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会)〔2010年〕[4]
    • ありがとうございます。是非、中小企業の落ちこぼれがないように、しっかりと対応をお願いしたいと思います。(赤石清美、第190回国会厚生労働委員会)〔2016年〕[5]
  4. (語義3の狭義)授業に付いて行けない児童生徒
    • 国際競争の中で高い学力が要求されるようになり、つまづく生徒が出て、本来人権としての教育が逆に落ちこぼれを生み出してしまった。(文部科学省、初等中等教育分科会)〔2004年〕[6]

類義語[編集]

動詞[編集]

おちこぼれ

  1. おちこぼれる」の連用形
    • 御指摘のように、今までの日本の教育は、横並び、画一、均一で、結果的に落ちこぼれ、それから一方では、吹きこぼしというふうに言うそうですけれども、優秀な生徒が更に伸びるような環境づくりになかったと。(下村博文、第186回国会決算委員会)〔2014年〕[7]

脚注[編集]

  1. 青空文庫(2004年1月9日作成)(底本:「大菩薩峠16」ちくま文庫、筑摩書房、1996年7月24日第1刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000283/files/4511_14292.html 2018年2月5日参照。
  2. みずほ情報総研株式会社「平成21年度化学物質安全確保・国際規制対策推進等(化管法施行状況調査)調査報告書」『平成21年度経済産業省委託調査報告書』(経済産業省ホームページ) http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/other/itaku/pdf/h21/houkokusho_kakanhousekou_h21.pdf 2018年2月5日参照。
  3. 青空文庫(2009年5月23日作成)(底本:「肌の匂い」早川書房、1951年11月10日4版)http://www.aozora.gr.jp/cards/001311/files/49747_35250.html 2018年2月5日参照。
  4. 『産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(第10回)-議事要旨』(経済産業省ホームページ) http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004550/index10.html 2018年2月5日参照。
  5. 「第190回国会 厚生労働委員会 第14号(平成28年4月14日 )」国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0062/19004140062014a.html 2018年2月5日参照。
  6. 「参考資料1 これまでの検討における主な意見について(案)」『初等中等教育分科会(第28回)』(文部科学省ホームページ) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1395446.htm 2018年2月5日参照。
  7. 「第186回国会 決算委員会 第9号(平成26年5月26日)」国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/186/0015/18605260015009a.html 2018年2月5日参照。