しける

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

動詞[編集]

しける

  1. 曇る
  2. 【当て字「時化しける」】荒れる
    • バスで、夕方の五時頃、安房へ戻つて來た。途中幾度か雨にあつた。海はかなりしけて來た樣子だ。三百五十トンの橘丸が明日は來るだらうといふのだが、このしけでは船は來さうにも思へない。(w:林芙美子 『屋久島紀行』)
  3. (時化で船待ちの漁師のように)手持ち無沙汰の様子である。
  4. 金回り悪くなる。他人が自分に対して金を惜しむ。気前が悪い。景気が悪い。
  5. 気持ち落ち込む
  6. 【当て字「湿る」、「湿ける」 ゆれ:しっけるしめりけ帯びる
    • 読みさした所に象牙を薄く削った紙小刀ナイフが挟んである。巻に余って長く外へ食み出した所だけは細かい汗をかいている。指ので触ると、ぬらりとあやしい字が出来る。「こう湿気しけてはたまらん」と眉をひそめる。女も「じめじめする事」と片手にの先を握って見て、「香でも焚きましょか」と立つ。(夏目漱石『一夜』)
  7. (「しけている」など状態の語にして)つまらない。楽しくない。
    • このやうな條件のところへ、「ギヨーツ」だの「しけてンのさ」だの、いろんな、アプレ語が輸入されてきたら、一體、このカクテルはどんな味のものになるのか。文部省の努めてゐる標準語への整調などは、夢みたいな話である。(吉川英治 『折々の記』)

活用[編集]