したりがお

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日本語[編集]

発音[編集]

名詞[編集]

したりがお【したり】(歴史的仮名遣い:したりがほ)

  1. うまくしてやったという得意げな顔つき
    • 「私しの方だって、ぬかりはありませんやね」と鼻子はしたり顔をする。(夏目漱石「吾輩は猫である」)〔1906年〕[1]

用法[編集]

  • 「したりがお~」「したりがお~」の形で、述語を修飾できる。
    • 花房はしたり顔に父の顔を見た。父は相変らず微笑んでいる。(森鴎外「カズイスチカ」)〔1911年〕[2]
    • 出尻伝兵衛、したり顔で偉らそうな口をきいたが、この差出口はまるで余計なようなものだった。(久生十蘭「平賀源内捕物帳」)〔1940年〕[3]

類義語[編集]

翻訳[編集]

動詞[編集]

したりがお-する【したり-する】

  1. 得意げな顔つきをする。
    • 人生はチャンスだ。結婚もチャンスだ。恋愛もチャンスだ。と、したり顔して教える苦労人が多いけれども、私は、そうでないと思う。(太宰治「チャンス」)〔1946年〕[4]

活用[編集]

翻訳[編集]

[編集]

  1. 青空文庫(1999年9月17日公開、2018年2月5日修正)(底本:「夏目漱石全集1」ちくま文庫、筑摩書房、1987年9月29日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html 2019年7月17日参照。
  2. 青空文庫(2000年8月9日公開、2006年5月11日修正)(底本:「山椒大夫・高瀬舟」新潮文庫、新潮社、1990年5月30日53刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/680_23198.html 2019年7月17日参照。
  3. 青空文庫(2007年12月12日作成)(底本:「日本探偵小説全集8 久生十蘭集」創元推理文庫、東京創元社、1989年3月31日4版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001224/files/46628_29247.html 2019年7月17日参照。
  4. 青空文庫(2000年4月7日公開、2005年11月4日修正)(底本:「太宰治全集8」ちくま文庫、筑摩書房、1989年4月25日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/244_20157.html 2019年7月17日参照。