ちり

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チリ も参照。

日本語[編集]

名詞:塵[編集]

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ちり

  1. 粉末状の土砂などの飛び散ったもの。ほこり[1]
    だにすゑとぞおもふ咲きよりいもとこ夏(『古今和歌集』巻3・夏歌・167)
    塵一つ積もらせまいと思っているのですよ、咲いてからずっと。妻と私がいつも寝るとこと似た名を持つ常夏とこなつ撫子)の花なのですから。
    その屋根にはうっすらたまっていた。(三好達治オルゴール』)
  2. ごみあくた[1]
    うつくしきもの。(略)二つ三つばかりなるちごの、急ぎはひくるに、いと小さきちりありける目ざと見つけて、いとをかしげなるとらへて、大人など見せたる。(清少納言枕草子』第151段)
    愛らしいもの。(略)二、三歳ほどの幼児が、急いで這っ来る途中で、とても小さなごみがあったのを目敏く見付けて、とてもかわいらしい指でつまんで、大人などに見せているさま。
  3. よごれけがれ[1]。また、汚点
    にごりなき亀井のむすびあげすゝぎつる(『新古今和歌集』巻20・釈教歌・1926)
    濁りのない亀井(天王寺七名水の一つ)の霊水を掬い上げて、心の穢れを洗い清めたことよ。
    あたら大臣おとどの、つかず、この世には過ぎたまへ御身おぼえありさまに、おもだたしきに、むすめかしづきて、げにきずなから思ひやりめでたきものしたまはぬは。(紫式部源氏物語第26帖・常夏
    惜しいことだ。大臣が、欠点もなく、この世では過ぎた方でいらっしゃるというご自身の人望や様子でありながら、高貴な奥方の腹の中に、姫君を大事にお世話して、なるほど申し分なかろうと思われる立派な方がいらっしゃらないとは。
  4. 仏家において、世俗人事を厭いていう語[1]俗塵
    従へば、心、奪はれて惑ひ易くまじはれば、言葉よそ聞き随ひて、さながら心にあらず。(吉田兼好徒然草』第75段)
    世俗に従えば、心は周囲の俗塵にとらわれて惑いやすく、人と交際すれば、言葉は他者の思惑に左右されて、全く本心(から発したもの)でなくなる。
  5. 極めてわずかな物事[1]いささかつゆつゆほど[1]
    いとそびやかに、様体をかしげなる人の、うちきすこし足らほどならむと見えて、までまよひなく、つやつやこちたう、うつくしげなり。(紫式部源氏物語第46帖・椎本
    非常にすらりとした、姿態の美しい人で、髪が、袿に少し届かない程度であろうと見えて、毛先まで僅かな乱れもなく、つやつやと多く、可憐な様子である。
    あの強いはげしい底力、それはもうこのにはどのにもほど残っていない。(有島武郎星座』)
  6. さわぎみだれ[1]
  7. 値打ちないもの。取るに足りないもの[1]
    うへありかさだめの身ゆくへ知らなりべらなり(『古今和歌集』巻18・雑歌下・989)
    風で舞い上がった塵のように居場所を定めない私は、行方も判らなくなってしまいそうだ。
  8. 先人のなした業績遺業[1]
    あはれありてふ 人麿こそはうれしけれ しもながら言の葉あまつ空まできこあげ 末の世までのあととなし 仰せ下れるは に継げとや(『古今和歌集』巻19・雑体・1003)
    ああ、昔いたという柿本人麻呂こそは、有り難い存在である。彼は身分こそ低かったが、和歌を天皇のお耳に入れ、後世までの模範としてくれた。今回再び(彼同様身分の低い勅撰集編纂の)命が下ったのは、彼の後塵を拝せとの思し召しであろうか。
  9. 残り物お流れ[1]
  10. 真艫まとも後端飾りとして付ける。「千里」「知利」に作る[1]

語源[編集]

散り」と同源[1]

発音[編集]

ち↗りち↗り↘

関連語[編集]

複合語[編集]
成句[編集]

翻訳[編集]

名詞:ちり[編集]

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ちり

  1. 刀剣名所などころ刀身との[2]
  2. 三味線口符三の糸押さえ弾き、またすくう。「チ」は三を押さえる音、「リ」はすくう音[2]
  3. 鍋料理一種魚肉野菜豆腐などを二杯酢三杯酢醤油などをつけ食べる[2]鯛ちり鱈ちり河豚ちり鉄ちり)などがある。ちり鍋

発音[編集]

ち↘り

名詞:散り[編集]

ちりり】

  1. 散ること。また、散るもの。
    安之比奇能 山下比可流 毛美知葉能 知里能麻河比波 計布仁聞安流香母(『万葉集』巻15・3700)
    あしひきの山下光る黄葉もみちば散りの紛ひ今日けふにもあるかも
    山裾まで光り輝くばかりに色付く黄葉が散り乱れる盛りは、まさに今日なのだなあ。
    此夕 零来雨者 男星之 早滂船之 賀伊乃鴨(『万葉集』巻10・2052)
    このゆふへ降り来る男星ひこほし漕ぐかい散りかも
    この七夕の夕方に降って来る雨は、彦星が急いで漕ぐ舟の櫂のしずくであろうか。
  2. 建築用語。二つ不揃いであるとき、その突出し、あるいは引っ込んでいる部分[2]
  3. 上製本で、表紙が中身の用紙に比べて幅広になっている部分。

語源[編集]

  1. 動詞散る」の連用形名詞化。

発音[編集]

ち↗り

動詞[編集]

ちりり】

  1. 動詞散る」の連用形

同音異義語[編集]

脚注[編集]

  1. 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 下中弥三郎編『大辞典』 平凡社、第18巻、1936年2月28日、紙面3ページ、デジタル7ページ、全国書誌番号:67012501、近代デジタルライブラリー pid 1873504/7
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 下中弥三郎編『大辞典』 平凡社、第18巻、1936年2月28日、紙面2ページ、デジタル7ページ、全国書誌番号:67012501、近代デジタルライブラリー pid 1873504/7