出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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書き順

日本語[編集]

発音[編集]

名詞:[編集]

  1. 広くて平らな自然大地のはら
  2. 田畑。のら
  3. 民間

名詞:[編集]

  1. 一幅分の布。

名詞:[編集]

  1. の間の部分。矢柄
  2. やだけ

名詞:形式名詞[編集]

  1. もの。
    • うまいが食べたい。
    名詞・代名詞に接続するときは「*〜のの」「*〜なの」ではなく「〜の」とする(#接尾辞の項参照)。
  2. こと
    • うるさく騒ぐはやめて。
    • そんなはあたりまえだ。
  3. 人や動物など。
    • 執筆したは大学の教授だ。
    • あんなは友達じゃない。(ややぞんざい)
  4. とき場所状況など。
    • 留学したは20年前だ。
  5. 事物について、同じ言葉の繰り返しを避けるために代名詞的に用いる。
    • 日本の大学の中で、もっとも有名なは東京大学だろう。
  6. 理由・根拠を強調する。口語ではも使われる。下に「だ」「です」「で」を接続する。
    • あなたが言っていたです。
    • これは失敗なだ。
    1. 口語の疑問文では多用される。
      • どこへ行くですか。
      • 私が行けばいいか。
  7. すべきであることや指示・命令を表す。口語ではも使われる。下に「だ」「です」「で」を接続する。
    • もっと早く走るだ。でないと遅れるぞ。
    • あんなことをするではなかった。
  8. (主に用言につけて)列挙する。だの
    • 狭い暗いって文句ばかりつける。
    • 言った言わないと揉めていた。
類義語[編集]
関連語[編集]

助詞[編集]

格助詞[編集]

  1. 所有、属性などで、後にくる言葉を限定する。
    • ノート。
    • 総理近況。
    • 山田構成、吉田司会でお送りします。
    • 出番だ。
    • 空。
    • 都。
    • 独自主張。
    • 第一利点。
    • 正規代理店。
    • (古風)一般に言われている如く、抒情詩は主観的詩に属し、叙事詩は客観的詩に属する。(萩原朔太郎「詩の原理」)
  2. 具体的な名詞の属性や状態を示す修飾節の中で、に代わって主語や、一部の構文では目的語を示す。[1]
    • 紅葉散る頃。
    • 知っている人。
    • うまい人。
    • ケーキ切れない非行少年たち。
  3. (九州方言)主語や、一部の構文では目的語を示す。
    • 天気悪かけん客少なか。
    • 飲みたか。
      古語の下記6.の用法で、用言が体言を修飾する場合に用言の主語が「の」で表示されると捉えられたことから派生した用法。
  4. 助詞について体言を修飾する機能を担う。
    • 私からプレゼント。
    • 学校でできごと。
    • 二人だけ秘密。
    • 生きるか死ぬか瀬戸際。
    • 経営について提言。
      までにに付くことはできず、「が」「を」では「の」、「に」では「の」「への」「での」、「までに」では「までの」などで代用する。
    • 総理演説。
    • 購入。
    • 「田日」とあるのは「日田」誤植だ。(=「日田」を誤植したもの)
  5. 上の語と下の語が同格であることを表す。
    • 部長山田さん。
    • 薫さんが来てたよ。
    • 佐藤、鈴木、高橋三人でやることにします。
    • おばさん運転手がおじいさん患者を乗せて行った。
    • 五月五日こどもの日
    • ふるまい酒お屠蘇もご用意しました。
    • 押し一手。
    1. 悪態をつくときに用いられる表現。
      • お兄ちゃんバカ。
      • 部長わからず屋が。
  6. 上の語が下の語によってさらに修飾を受ける。
    • あついのが飲みたい。
    • 警察官背の高いのに呼び止められた。
    • (古語)高欄のもとに、青き瓶(かめ)大きなるを据ゑて、桜のいみじうおもしろき枝五尺ばかりなるを、いと多くさしたれば、高欄の外(と)まで咲きこぼれたる昼つ方、大納言殿、桜の直衣(なほし)少しなよらかなるに、濃き紫の固紋(かたもん)の指貫(さしぬき)、白き御衣(おんぞ)ども、上に濃き綾いとあざやかなるを出だして参り給へるに、(清少納言枕草子』)
  7. 上の語の部分であることを表す。
    • 全体一部に過ぎない。
    • 中ほど
    • 日本人三割が高齢者だ。
    • 一日半分は寝ている。
  8. 名詞述語文が体言修飾する場合において、連体形語尾と同等の機能を担う。である。という。
    • この案に反対人。
    • 後部が円形墳墓。
    • 話し方がゆっくり老人。
    • バスからお降り際は、お忘れものにご注意ください。
    1. 述部動詞形容詞または動詞接尾辞する省略した名詞述語文(いわゆる「うなぎ文」)が体言を修飾する場合において、連体形語尾と同等の機能を担う。
      • 「コーヒーお客様、コーヒーをご注文お客様」
      • 明日から大阪へ出張予定だ。
      • 黒マスクの学生
派生語[編集]

終助詞1[編集]

強調用法から「だ」または「か」を省略したものに由来。

  1. (下降調の発音で)軽い断定
    • 私、この字読めない
    • ふうん、そうだったね。
  2. (上昇調の発音で)疑問
    • 何を言ってる
  3. (強いイントネーションをおいて)命令
    • つべこべ言わない
  4. 強調的な断定(この場合の「の」は、「だ」や「か」の省略ではなく他用法からの類推によるものと思われる)
    • そこにあるじゃない
  5. 軽い慨嘆(「の」を高く発音する。この場合の「の」も、「だ」や「か」の省略ではなく他用法からの類推によるものと思われる)
    • へんな。つまんない

終助詞2[編集]

  1. (西日本方言)詠嘆や念押しなどを表す。のう。な。ね。
    • そろそろ出かけようか

翻訳[編集]

接頭辞 :[編集]

  1. 野生の。
  2. 粗野な。

接尾辞:[編集]

  1. 布の幅を数える単位。一幅(ひとの)は、鯨尺で8寸(約30センチ)から1尺(約38センチ)。

接尾辞[編集]

  1. ~のもの
    • が見つからない。
    • アルミは軽い。
    • あの店は安くてうまい。
  2. (口語)のほう。比較を示す。
    • これがおいしい。
  3. (古)氏のあとにつけ名とつなぐ小辞。
    • 小野小町(おのこまち)
  4. (古)氏や屋号などにつけ呼びかけに用いる。
    • 銭形。三ノ輪

参考文献[編集]

  1. 金 銀珠, 連体修飾構造における主格助詞「の」の変化, HERSETECテクスト布置の解釈学的研究と教育, vol. 1-2, pp. 57-72.

中国語[編集]

香港における使用例;菓子のフランチャイズチェーン『優之良品

発音(?)[編集]

  • ピンイン: de, zhī
  • 注音符号: ˙ㄉㄜ, ㄓ

助詞[編集]

  1. (de) 中国で俗に「」の代替表記として用いられる。
  2. (zhī) 中国で俗に「」の代替表記として用いられる。

文字コード[編集]