はず

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はづ 、 ハズ 、 はす 、 ばす 、 バス 、 パス 、および バズ も参照。

日本語[編集]

発音[編集]

名詞[編集]

はず

  1. 両端にある、掛け固定するところ。弓筈
  2. 弓の弦に番える時に矢が弓から外れないようにするための、矢の矢尻でない方の先端にあるくぼみ、また先端部につける器具矢筈
  3. (弓の筈と弦はちょうど合うことから転じて) 当然。当然な理屈
    1. 経験根拠をもって、当然だと考えるさまを表す。
    2. (多く逆接を伴い)当然実現されるべきことがまだ実現されていない際に、疑問呈するさまを表す。
    3. 当然実現したと思われる事柄について、人に確認するさまを表す。
    4. 物事が明らかになった時、それを当然帰結すべきものであったと考え納得するさまを表す。
      • あの母さん時代も、そんなに遠い過去になった。それもそのはずである。太郎や次郎はもとより、三郎までもめきめきとおとなびて来て、縞の荒い飛白の筒袖なぞは着せて置かれなくなったくらいであるから。 (島崎藤村分配』)
      • 父がな黄色いものも嘔いた時、私はかつて先生と奥さんから聞かされた危険を思い出した。「ああして長く寝ているんだから胃も悪くなるはずだね」といった母の顔を見て、何も知らないその人の前に涙ぐんだ。 (夏目漱石こころ』)
    5. (「はずだ」「はずだった」あるいは「はずでない」「はずでなかった」などの形で多く逆接を伴い)期待反する物事が起こった場合に、悔恨の意を表するさまを表す。
    6. (「はずがない」などの形で)強い否定を表す。根拠がない。可能性がない。ないにきまっている。
  4. 本来予定見込み。また、本来の段取りきまりしくみ
  5. (相撲) 親指の四本指を矢筈 (語義2) の形に開いて、相手の脇腹押すこと。
  6. (和船)
    1. 帆柱の先端でを固定している蟬挟の、の上にある突起
    2. (略語) 筈緒
  7. (古用法, 俗語) 楊弓大弓遊戯をする際に賭ける銭。

用法[編集]

  • (語義3) 肯定の場合は「〜はずだ」の形でよく用いられる。対して否定の場合は、1.「〜ないはずだ」、2.「〜はずでない」「〜はずではない」「〜はずじゃない」、3.「〜はずがない」「〜はずはない」「〜はずもない」「〜はずない」の形でよく用いられる。特に、3.の形は強い否定を示す。
  • (語義3・4) 普通、仮名書きされる。
  • (語義3-4)打ち消しの「はずでない」のかたちは取らない。過去の「はずだった」はまれ。「はずだ」の部分を強調して発音することが多い。

派生語[編集]

関連語[編集]

成句[編集]

翻訳[編集]

同音異義語[編集]

はず

  • 巴豆】:トウダイグサ科ハズ属の植物。

古典日本語[編集]

名詞[編集]

はず

  1. 両端にある、掛け固定するところ。弓筈
  2. 矢尻でない方の先端にある、矢が弦を受けるところ。矢筈
  3. (弓の筈と弦はちょうど合うことから転じて) 当然。当然な理屈
    • このくれはずはないが、と思うてくれた。 (『秀句大名』)
  4. 予定見込み

動詞[編集]

はず

  1. はぜる」 (ザ行下一段活用) に同じ。

活用[編集]

は-ず 動詞活用表日本語の活用
ザ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ずる ずれ ぜよ