ひょんな
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日本語[編集]
連体詞[編集]
ひょんな
語源[編集]
「凶」の唐宋音から転じたとの説がある。新井白石著・新井白蛾補『同文通考』(1760年)巻二「漢音呉音」の項、白蛾による補のなかに「俗に物の好からざることをすべてひよんなことと云ふ、凶の字の華音凶と云より、言ひ傳へて常語となり」とある。松葉軒東井『譬喩尽』(1787年)には「凶なこととは凶の字の唐音なり」とある。
異説として、イスノキの別名「ひょん」から来たとする説もある。安原貞室『片言』(1650年)では、「ひよんなことといふを、ひよがいなこと、ひようげたことなどいふは如何と云り。是はひよんといふ木の実の、えもしれぬ物なるよりいへること葉歟。又瓢のなりのおかしう侍るより、しれぬことの上になぞらへて、ひようげたことと云初たるか。 又は、へんなことと云こと歟」としている。
『日葡辞書』(1603年-1604年)に収録されていることから、少なくとも中世に遡る語である。日葡辞書は Fionna (ひょんな)について、Fionna cotouoyŭ. l, suru. (ひょんなことを言う。-する)と例文を示し、「常軌を逸して人の目にとまることを言う、あるいはする」と説明している。
用法[編集]
古い用法では、不都合なことについて使う。
発音(?)[編集]
- 東京アクセント
- ひょ↘んな
- 京阪アクセント
- ひょ↗ん↘な
関連語[編集]
類義語[編集]
翻訳[編集]
- 英語: unexpected (en), accidental (en), by chance (en)
参考文献[編集]
- 『日本国語大辞典』第2版、第11巻(2001年) ISBN 4095210117
- 土井忠生編修代表『時代別国語大辞典』「室町時代編4」(2001年) ISBN 4385136033
- 土井忠生、森田武、長南実『邦訳日葡辞書』(1980年)
- 秋永一枝編『新明解日本語アクセント辞典』(2001年) ISBN 9784385136707