ふんだん

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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ぶんたん および ぶんだん も参照。

日本語[編集]

語源[編集]

  • 不断 が転じた語。
    元は漢語であることが意識されてか、終戦前後まで「フンダン」としばしば表記された。

形容動詞[編集]

ふんだん

  1. 絶え間のないさまさま。
  2. 有り余っているさま、または、事例豊富にあるさま。
    • その上川魚は頭ごと食へるから、第二の国民の骨骼を大きくする為のカルシウム分もフンダンにある。(葉山嘉樹 『氷雨』)
    • 蝦夷と入鹿は自分を天皇になぞらえて、宮城ミササギをつくッていたそうだが、それにしでもだね、大臣が殺されたなんてことは、その前後にフンダンにありますね。(坂口安吾 『安吾の新日本地理 飛鳥の幻――吉野・大和の巻――』)
  3. 動作感情などが過剰であるさま。
    • 彼女は――自分は――その忘我が、感情に於てふんだんの女性である自分にとって、不可抗なものである事を熟知して居る。(宮本百合子 『結婚問題に就て考慮する迄』)
    • それを隣坐敷で聞いていると、ウィットにもならなければヒューモーにもなっていないのだから、いかにも無理やりに、(しかも大得意に、)半可もしくは四半可を殺風景に怒鳴りつけているとしか思われなかった。ところが下女の方では、またそれを聞くたびに不必要にふんだんな笑い方をした。本気とも御世辞とも片のつかない笑い方だけれども、声帯に異状のあるような恐ろしい笑い方をした。(夏目漱石 『思い出す事など』)