出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- (暴利を)「むさぼる」の「ぼる」から。
- 1917年に発せられた「暴利取締令」にある「暴利」からとも(従来一般的な語でなかったが、この法令により民衆に強く印象づけられた)。
ぼる
- (俗語) 不当に多額の利益をむさぼる。
- 「どうつかまつりまして、うなぎときちゃ、おふくろの腹にいたうちから、目がねえんですがね。でも、この土川うちじゃ、目のくり玉の飛び出るほどぼられますぜ」「しみったれたことをいうやつだな。その悲鳴が出るあんばいじゃ、ふところが北風だろうから、じゃこいつをおめえに半分くれてやろうよ」「な、なんです?――こりゃだんな、切りもち包みじゃござんせんか」(佐々木味津三 『右門捕物帖 村正騒動 』)
- (方言、石川県鳳至郡・福井県大飯郡・京都府北部・兵庫県養父郡・鳥取県岩美郡・徳島県阿波郡[1][2])(実を)もぐ。採る。
- (方言、兵庫県北部・京都府北部[1]、広く西日本)漏れる。漏る。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | ぼらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | ぼろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | ぼります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | ぼった | 連用形音便 + た |
言い切り | ぼる | 終止形のみ |
名詞化 | ぼること | 連体形 + こと |
仮定条件 | ぼれば | 仮定形 + ば |
命令 | ぼれ | 命令形のみ |
- 1 2 堀井令以知『京都府ことば辞典』おうふう、2006年、256-257頁。
- ↑ 東条操『全国方言辞典』、東京堂出版、1951年、757頁。