やし

日本語

名詞

やし【香具師・野師・弥四他】

1. 祭礼や縁日に露店を出し、物品の販売や見世物の興行を行う人。
   • さくら　縁日などに出る香具師の仲間では、客の買ひ方を速める為に、囮になつて、馴れあひで物を買ふ。(折口信夫 『方言』)
   • あるとき、南（みなみ）の方（ほう）の国（くに）から、香具師（やし）が入（はい）ってきました。なにか北（きた）の国（くに）へいって、珍（めずら）しいものを探（さが）して、それをば南（みなみ）の国（くに）へ持（も）っていって、金（かね）をもうけようというのであります。（小川未明 『赤いろうそくと人魚』）

類義語

• てきや

同音異義語

やし

• 【矢師】矢を作る工匠。
• 【椰子】ヤシ科の植物の総称。
• 【野史】民間で編纂された歴史書。

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古典日本語

語源

間投助詞「や」+間投助詞「し」

間投助詞

やし

1. (上代語) 形容詞の連体形や助詞などに付いて、文節末において詠嘆の意を表す。
   • ここに伊耶那岐の命、まづ「あなにやし、えをとめを」とのりたまひ、後に妹伊耶那美の命、「あなにやし、えをとこを」とのりたまひき。（『古事記』）

     ここで、イザナギの命が、先に「ああなんと、良い乙女か」とおっしゃられ、その後、イザナミの命が、「ああなんと、よい男性か」とおっしゃった。