トーク:のこぎり

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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楽器に関する語釈について[編集]

 こんばんは。エリック・キィでございます。「のこぎり」の語釈に関して一つ意見がございます。
 ウィキペディアの日本語版には「ミュージックソー」という記事がございます。ここで書かれています通り、この道具は見た目こそ工具のノコギリに形は似ているものの、工具として用いる事は出来ず、楽器としてのみ用いる事ができる代物である、という旨の事が冒頭部分に書かれております。
 それでは、「ミュージックソー」という単語記事を新たに立てれば済むのではないか、というお話になる事かと思われます。ところがこの記事のノートページを参照してみますと、この「ミュージックソー」という記事名は英語から借用されたものの、必ずしも定着して用いられている訳ではないという事が窺えるのです。ここにはいくつかグーグル検索でヒットした名称候補が記されています。一応、現在同様の検索を行うと多い順に「ミュージックソー」 で約822,000件、「ミュージックソウ」 約309,000件、「ミュージカルソー」 約323,000件、「ミュージカルソウ」 約131,000件がヒットします。しかし、この様な検索を行う以前に、もし日本語話者の間で名称についての共通認識が定まっていれば、そもそもノートページでこの様な疑問が呈される事も無かったものかと存じます。 これらの点を踏まえた上で、ここからは日本語の母語話者としての私自身の感覚に基づいた解釈・意見となりますが、この楽器の名を呼ぼうとする際、「ミュージックソー」という名称よりも「のこぎり」という単語が念頭に上がるのは自然な事である様に思われます。
 そしてもう一つ、楽器としてののこぎりの一般性は如何ばかりかという観点についても検討して参りましたが、ウィキペディアの記事から辿り得る要素のみ鑑みたと致しましても、

といった点が認められます。更に、ポーランド語で<のこぎり>を表す名詞"piła"の記事をポーランド語版記事を参考に作成させて頂きましたが、元となった記事にも工具としての側面のほか、楽器としての側面が語釈に記されていました。
 最後に、上記の内容を簡潔に要約致しますと、

  1. 楽器専用の「のこぎり」が存在する。
  2. 楽器としての「のこぎり」について一般性が認められる。

以上の要素から、語釈に楽器としてののこぎりについての言及を盛り込む事は妥当と考えられる、というのが個人的な認識でございます。もしそれが正しい認識であるとは認められないという場合は、上記のカタカナ語のうちいずれかの通称または俗称である、という語釈をつけるのはいかがでしょうか。--Eryk Kij (トーク) 2014年7月27日 (日) 12:57 (UTC)[返信]

ShikiHでございます。楽器としての鋸は割とよく見られるものであって、ミュージックソーミュージカルソーと言うであろうことには気づいておりました。太鼓がない場合、樽はどこにでもあるので、樽を代用することは日本でよく行われたとは思いますが、その場合はあくまで代用品。しかしミュージカルソーはわざわざそれを使うのであって、代用品ではなかろうと思います。そこで愚考しましたが、事実関係はそうだとしても、ミュージカルソーをはたして鋸と言うであろうか。私は言わないだろうと考えたので、削除されたままにして、復旧しませんでした。また、他の語とのバランスの問題もあります。スティールパンというのは楽器ですが、ドラム缶の語釈にこれを載せるべきか。銅鑼はどうか。拍子木(クラベス)はどうなのか。わたしの結論としては、クラベスはクラベスであって、拍子木に楽器という語釈は要らないだろうと思います。同様に鋸に楽器という語釈はのせないほうがよいと考えたのですが、「日本のこぎり協会」というのがあるとなれば、どうなんでしょうか。わたしには判断がつきません。皆さんのご意見をお聞きしたいと思います。(しかしよく見るとのサイトは「日本のこぎり音楽協会」ですね。一歩引いたニュアンスになりましょうか。)--ShikiH (トーク) 2014年7月27日 (日) 14:57 (UTC) 下線部あたりを加除。--ShikiH (トーク) 2014年7月27日 (日) 16:04 (UTC)[返信]
団体名の誤記、失礼致しました。早速不適切な箇所を訂正させて頂きました。そしてご意見ありがとうございます。私は今のところ、楽器以外に代用が効かない「のこぎり」と呼ばれる代物が存在する、という点に重きをおいております。なお、ShikiHさんが挙げて下さった例の場合、もし私が「ドラム缶」という単語記事を編集する場合、関連性があるものと言う事で「スティールパン」は参照節を立ててそちらに置かせて頂く可能性が高いと存じます。--Eryk Kij (トーク) 2014年7月27日 (日) 15:45 (UTC)[返信]
Mtodoです。
本件のご意見は、"この楽器の名を呼ぼうとする際、「ミュージックソー」という名称よりも「のこぎり」という単語が念頭に上がるのは自然な事"及び"楽器以外に代用が効かない「のこぎり」と呼ばれる代物"という点に無理があると思います。諧謔を交えない文章として、「ピアノを弾く、ピアノを習う」「ギターを弾く、ギターを習う」と同等の違和感無しに「のこぎりを弾く、のこぎりを習う」という文章は未だ日本語として熟していない(ためしに、これらを検索すると明らかに有意差の出る結果が得られます)と考えます。事実、「のこぎり」を楽器として定義する辞書は勿論、事典も未見です。私も、「ミュージカル・ソー」なる『楽器』があることは知っていますが、それを、道具の「のこぎり」同様の用語法、即ち、会話の進展で全くの前置きなく使える用語であるとは思えません。なお、これを商品として扱う場合は、「ミュージカル・ソウ」あたりがポピュラーである模様です[1][2]
基本的に言語は慣習です。辞書は、慣習を追認するに過ぎません。私は、他の辞書に先駆けて、ウィクショナリーが定義を与えるというような行動については極力謙抑的であるべきと考えておりますし、それをあえてやるほど、ミュージカル・ソーを「音楽用のこぎり」等ではなく、単に「のこぎり」と呼称する言語習慣はないのではないかと考えます。--Mtodo (トーク) 2014年7月27日 (日) 16:12 (UTC)[返信]
 ご回答ありがとうございます。確かにおっしゃる通り、手元の国語辞典の「のこぎり」の項には楽器としての用法は載せられておりませんでした。辞書から前例を提示できなかった、という点は私の致命的な欠陥でございました。
 そしてMtodoさんは諧謔を交えないという条件で単語を用いたコロケーションが成立するか否か、という観点を重んじていらっしゃる、と読み取らせて頂きました。個人的な感覚では「のこぎりを弾く」であれば特に違和感は覚えないのですが、あくまでもそれだけでは個人的な感覚であるに過ぎない上、たまたま「弾く」と「挽く」が同音である事に由来しているに過ぎないのかもしれません。
 言語が慣習であるという点については同意致します。しかし、ウィクショナリーが率先して新たな定義を主張するような事は避けた方が望ましい、という観点に関してはこれまで全くといってよい程無頓着でございました。私事となり恐縮でございますが、自身はこれまでに、「ながれ」の項には手元の辞書にない定義を記させて頂きました。母語話者として無視する事ができない新たな言語慣習が生まれている、と判断させて頂いた次第でございます。この時は独断で先に編集を行ってしまいましたので、念のためトークページにて問題がなかったか否かの意見を募らせて頂きました。そしてご意見は頂きましたが異論は出なかった為、私はこのスタンスで問題ないとばかり思い込んでこれまで臨んで参りました。しかし、この様な私の振る舞いは、率先して辞書の言葉に定義を与えた、という事に抵触しないか、今はそれが心配になって参りました。
 話が大幅に逸れてしまいましたが、本項に関しましては違和感なくコロケーションを作る事が出来る程の十分な言語慣習が日本語に形成されているとは考え難い、というご判断であったという事で、大筋で納得する事が出来ました。よって、私は楽器としてのノコギリに関しては、定義を記さなければ不自然と思わざるを得ぬまでの十分な言語慣習が成立した、という確たる証拠が認められない限り、そうした方向で語釈を編集する様な事は控える、という事と致します。数々のご意見と共に、他の方々の様々な認識・観点を伺う事が適いました事に感謝致します。--Eryk Kij (トーク) 2014年7月27日 (日) 17:34 (UTC)[返信]

コメント(インデントもどします)「他の辞書に先駆けて、ウィクショナリーが定義を与えるというような行動については極力謙抑的であるべき」というのは、あくまでも私見であり、コミュニティの合意事項ではありません。ただ、ウィクショナリーにおける「正確性のふるい」を考慮すると、自ずと、市販の辞書に載っているレベルが安心であり、そうでなければ、辞書編纂のできるレベルの言語学者・国語学者を相手にして、説得できる程度の論拠が欲しいところです。これは、何も市販の辞書に従えということではなく、「可能な限りの根拠をそろえましょう」ということで、例えば、「っ」の接中辞における議論はその典型でしょうし、逆に、著名な翻訳家米川正夫氏の作品中の『梃妙来‎・てえみょうらい』なる語を掲載対象から落とした議論もまた、この方針の好例と考えます。「ながれ」における議論の進め方は、その実例(本来は模範とすべき古典が望ましいが、なければそれに準ずるものを数集める等の手に出るのもありでしょう)を出すことにより進められており、従来の方針に適っているのではないでしょうか(逆に「のこぎり」の場合、この議論に耐えられないでしょう)。--Mtodo (トーク) 2014年7月28日 (月) 08:28 (UTC)[返信]

まことにありがとうございます。貴重なお時間を割いて下さり、大変忝いです。今回の私の論の進め方はお粗末でございました。よって過去の事例をまた一つ参考とさせて頂きます。それではこれにて失礼致します。--Eryk Kij (トーク) 2014年7月28日 (月) 15:09 (UTC)[返信]