付録:スラヴ祖語/degъtь
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スラヴ祖語[編集]
異表記[編集]
- *degŭtĭ[1]
語源[編集]
- 近隣のバルト語派においてはリトアニア語 degùtasやラトヴィア語 dȩgutsの様にそれぞれ〈燃やす〉、〈燃える〉を意味する動詞dègti、degtとの関連性が明白である。これに対し、スラヴ語において対応する動詞は語頭の子音が異なる*žegtiである為、この語はバルト語法によるものであると見なされる事もあるが、デルクセンは印欧祖語段階の名残りとして語根の*deg-の*d音がスラヴ語に継承されたものであろうと見ている。ブリュクネルもこの語をバルト語からの借用とは見ていない。
名詞[編集]
*degъtь 男性
- タール。
諸言語への影響[編集]
西スラヴ語群:
東スラヴ語群:
- ウクライナ語: дьоготь (dʹohotʹ); 〔方言〕 де́готь (déhot')[2], ді́готь (díhot')[2]
- ベラルーシ語: дзёгаць (dzjóhacʹ)
- ロシア語: дёготь (djógotʹ)[1][2]
南スラヴ語群:
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 森安達也 編、栗原成郎 ほか共著『民族の世界史10 スラヴ民族と東欧ロシア』山川出版社、1986年。ISBN 4-634-44100-4
- (ポーランド語) Brückner, Aleksander (1927). Słownik etymologiczny języka polskiego, s. 109. Kraków: Krakowska Spółka Wydawnicza.
- (英語) Derksen, Rick (2008). Etymological dictionary of the Slavic inherited lexicon. Leiden Indo-European etymological dictionary series, v. 4. Leiden: Brill. ISBN 978 90 04 15504 6