以上

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日本語[編集]

名詞[編集]

 いじょう)(歴史的仮名遣い: いじやう)

  1. それまでに述べた事。
    以上蜀山人手記大要である。(岡本綺堂夢のお七』)
    粗雑いいながら以上で私のいわんとするところほぼ解ることと思う。(石川啄木弓町より』)
  2. 説明名簿目録箇条書きなどの末尾に用いて、これまでに列挙されたもので終わることを指す語[1]
    は、品川湾也。には江戸川(小利根ともいふ)あり。西には多摩川あり。荒川下流隅田川、大川)その中央を流る。東京近郊は、以上の三大川を有し、台地低地とに分る。(大町桂月東京の近郊』)
    なお私がひそかに想定している思考上の伏線に就いて注意払う読者があるならば、左記の書物参照して貰え幸いである。特に第二以下のものが直接役に立つだろうと思う。
    一、科学方法論(一九二九)(岩波書店
    二、イデオロギーの論理学(一九三〇)(鉄塔書院)
    三、イデオロギー概論(一九三二)(理想社出版部)
    四、技術の哲学(一九三三)(時潮社)
    五、現代哲学講話(一九三四)(白揚社)
    (『現代のための哲学』――大畑書店――の改訂版)
    以上戸坂潤日本イデオロギー論』)
  3. 合計
    家族は六十七八になる極く丈夫老母、二十九になる細君、細君ののお清(きよ)、七歳(ななつ)になるの礼(れい)ちゃん、これに五六年前から居るお徳(とく)という女中以上五人に主人あるじの真蔵(しんぞう)加え都合六人であった。 (国木田独歩竹の木戸』)
  4. 手紙の末尾に用いて、敬意を表す語[1]
    何だかとりとめもないばかり書きましたが、どうか悪しからずゆるし下さい。はこの手紙を書いてしまうと、僕の充満した焼け出されの親戚故旧玄米夕飯ゆうめし食うのです。それから提灯蝋燭ともして、夜警詰所出かけるのです。以上。(芥川龍之介大正十二年九月一日の大震に際して』)
  5. 接続助詞的に用いて)~からには当然
    どんなに優秀カメラマンでも人間である以上絶対誤解ないとは保し難い。(伊丹万作カメラに関する覚え書』)
  6. 御目見以上(おめみえいじょう)」の略[1]

発音[編集]

い↘じょー

関連語[編集]

翻訳[編集]

接尾辞[編集]

 いじょう

  1. ある基準数量程度よりも多いこと。数量が含まれる場合はその基準を含み、含まれない場合はその基準を含まない。
    三十九以上病熱なやまされてる子供そばに、父親殆んどつききりでいる。(豊島与志雄父と子供たち』)
    議院は、各々その議員の三分の一以上出席なければ、議事開き議決することできない。(日本国憲法第五六条
    この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上患者入院させるための施設するものをいう。(医療法第一条の五
    ピアノくらい機械でもそれ完全記述し、何から何まで説明することは、想像以上困難仕事である。(兼常清佐音楽界の迷信』)

用法[編集]

同じかそれより多いという意味であるが、明らかに同じではない場合にも用いる。

  • 千人以上が集まった。
  • 一万円以上かかった。

数値が含まれない場合はそれを超過する程度をさす。

  • 「君以上の人材」
  • 「いつも以上の成果」。

類義語[編集]

対義語[編集]

  • 以下:基準となる数を含む
  • 未満:基準となる数を含まない

翻訳[編集]

副詞[編集]

  1. 絶対に。
    還りません! 貴方がそう酷く有仰れば、以上還りません。(尾崎紅葉金色夜叉』)
    神さまなんか聞いたって、以上わかりッこない。この理窟がわかる神さまは自分なかいるばかりだ。(夏目漱石坑夫』)

朝鮮語[編集]

名詞[編集]

以上이상

  1. (日本語に同じ)以上

中国語[編集]

発音[編集]

  • ピンイン: yǐshàng
  • 注音符号: ㄧˇ ㄕㄤˋ
  • 広東語: yi5seung6
  • 閩南語: í-siōng
  • 客家語: yî-song
  • 呉語: i2 zaon3

方位詞[編集]

以上

  1. (日本語に同じ)以上

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 上田万年、松井簡治、1915年10月8日『大日本国語辞典』金港堂書籍、第1巻、紙面219ページ、デジタル122ページ、全国書誌番号:43022818、近代デジタルライブラリー pid 954645/122