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漢字[編集]

字源[編集]

  • 形声文字。「」(左側の人偏・「亻」)+「」(「シン」の音を表す音符)+「」。音符の「辛」は、罪を犯した者を とがめる仕置き(刑罰)として入れ墨を入れるための針(=シン)の形を形取った象形文字で、そこから移り変わり、罪びとを とがめるための仕置きそのものをも表す。その事から「信」は、人の口から出た言葉に若しもウソが有るならば、そのときは とがめられて仕置きを受けることを誓うさまから、「まこと」という旨を表す[1]

意義[編集]

  1. まこと。(口に出したことなどに)うそ偽りが無い事。明らかな事。真実。誠実。
    信実信言信義忠信
  2. まこととする。信じる。
    確信信用信条所信妄信迷信
  3. まかせるまかす
    信任信頼信託
  4. たよる
    信仰信心信者
  5. たより。手紙。
    信書通信音信私信
  6. たより。知らせ。おとずれ。
    通信音信

日本語[編集]

発音[編集]

      のぶ(人名。「信」の音が「」〔シン、の-ぶ=の-びる〕や「」〔シン、の-ぶ=の-べる〕に通じることから)。

名詞[編集]

  1. シン)約束などをまもりとおすこと。信頼
    信を置く信を問う
    • 乞食坊主に頼む気になったのは、なんとなくえらそうに見える坊主の態度にを起したのと、水一ぱいでするなら間違ったところで危険なこともあるまいと思ったのとのためである。(森鴎外『寒山拾得』)

動詞[編集]

(文語)信ずる/(口語)信じる

  1. シンまことと思う。うそ偽り無く確かに正しいまことの事だと強く思い込んで受け入れる。
    我々は 自ら相応鑑賞力のある文士自任して、 常住他の作物に対して、自己正当信ずる評価公けにして憚らないのみか、芸術上において相互発展進歩余地はこれより外にないとまで考えている。(夏目漱石『文芸委員は何をするか』)
    その破れた箇所には、また巧妙補片つぎが当っていて、まったくそれは、創造説信じる人にとっても進化論信じる人にとっても、不可思議な、滑稽な耳たるを失わない。(梶井基次郎『愛撫』)
  2. シンたよりにする。頼るに足りる頼もしい 相手であると当てにして心を寄せる。信を置く。信用する。信頼する。
    「ただ、君を信じる、と言っていた。」(太宰治『佳日』)
    私は、Hを信じられなくなったのである。(太宰治『東京八景 (苦難の或人に贈る)』)
  3. シンまかせる。(この世のことわりを超えた力を持つとされる神や仏などといったものや その教えなどを)うそ偽りなく確かに正しいものとして疑う事無く受け入れ、いざというときに頼るに足りる頼もしいより所であると当てにしてこれに心を寄せてたのみ、素直に身を任せてそれに従おうとする。信仰する。信心する。
    それぞれ人人は何らかの思想の体系の中に自分を編入したり、されたりしたことを意識しているにちがいない現在、――いかなるものも、自分が戦争に関係がないと云えたものなど一人もいない現在の宿命の中で、何を考え、何の不平を云おうとしているのであろうか。鵜のように人人の首に締った綱を握っているものは世界でただ一人である。また、このものは誰かということも、誰も知ることなど出来る筈はない。合理がこれを動かすのか、非合理がこれを動かすのかそれさえ分らぬ。ただ分っていることは、人人は神を信じるか、それとも自分の頭を信じるかという難問のうちの、一つを選ぶ能力に頼るだけである。(横光利一『鵜飼』 後者の「信じる」は語義2)

活用[編集]

語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
しん じる じる じれ じろ ザ行上一段活用

発音[編集]

し↗んじ↘る(sinzíru)

熟語[編集]

中国語[編集]

*

名詞[編集]

  1. 手紙
  2. らせ

動詞[編集]

  1. 信じる、信用する、信頼する。

熟語[編集]

朝鮮語[編集]

*

名詞[編集]

  1. 信用

熟語[編集]

ベトナム語[編集]

*

名詞[編集]

  1. 信用信頼

コード等[編集]

参考文献[編集]

鎌田正/米山寅太郎『新漢語林』初版、大修館書店

脚注[編集]

  1. 鎌田正/米山寅太郎『新漢語林』初版、大修館書店97ページ