出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 「夕(月)」+飾符「口」。「くらい」を意味する漢語{冥/*mˤeŋ/}を表す字。仮借して「なまえ」を意味する漢語{名 /*meng/}を表す。
- 甲骨文字の「昌」は「日」+飾符「口」で構成され、日光を本義とするのに対し、「名」は月光を本義とする字である[字源 1](昌#字源参照)。つまり、「名」と「昌」の本義構形は対比関係にある。「名/*meŋ/」は{冥/*mˤeŋ/くらい}の表語文字であったと考えられる。
- 「暗くて見えないから口に出す名」という説は『説文解字』からある定説[字源 2]だが、やや牽強付会の感がある。
- この文字を「肉」+「口」と解釈する説がある[字源 3]が、これは誤った分析である。甲骨文字や金文の形を見ればわかるように「肉」とは関係がない。
- ↑ 雷縉碚 「“昌、名”二字本義考
—— 兼論《詩経》“安且吉兮”」『古文字研究』2022-09-30。
- ↑ 裘錫圭 「説字小記」 『北京師範学院学報』1988年2期。
- ↑ 白川静 『新訂 字統』 平凡社、2004年、847-848頁。
- シナ・チベット祖語 *meŋ (なまえ)より。
- チベット語 མྱིང 、ビルマ語 မည် 、西夏語 𗦻 mjiij² 、ジンポー語 mying 、ミゾ語 hmı́ng 等、語族内のほとんどの言語に同根語が存在する。
- (な)(やや古風)その人、物又は事を他の人や事物と区別するため言語を用いて、概念を代表して標識としたもの。名前。名称。呼称。
- (な)ほまれ、名誉。
- (ミョウ)荘園や公領を構成した基本単位・徴税単位。またそれに由来する地名区分。
- (メイ)~の名前。
- (メイ)人数を数える時の助数詞
- (メイ)特別に秀でた。秀でていて有名な。非凡な。偉大な。
- 名作家、名選手、名探偵、名演奏、名監督、名脇役、名料理人、名投手、名解答、名ドライバー、名シーン、名奉行
- 類義語:大
字典掲載
康熙字典 |
175ページ, 9文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
3297 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
1316 |
角川大字源 (1992) |
1079 |
講談社新大字典 (1993) |
1772 |
大漢語林 (1992) |
1276 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
391ページ, 2文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
1巻, 582ページ, 6文字目 |