夜郎自大

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日本語[編集]

成句[編集]

   (やろうじだい)

  1. 自信過剰視野狭窄な様。広い世界を知らず、自分の力を過大評価すること。
    • 海陸の交通の發達に伴つて、邊鄙奧州も段々に開けて來たことは、上述の如くであるが、然しながら奧州はやはり依然として文明進歩の遲々たる所で、足利時代を終つても、まだ/\上國と比肩する迄には行かなかつた。其の例を擧げれば數限りもないが前に一寸述べた安倍康季が日之本將軍と稱したのでも其一斑を窺はれる。此日之本將軍といふ名稱は、多分蝦夷を威かす爲めに用ゐたのであらうけれど、それにしても可笑しく立派過ぎて、夜郎自大譏りを免れない。(原勝郎 『日本史上の奧州』 )

語源・出典[編集]

史記西南夷列傳より

夜郎は、中国・の時代に、現代の貴州省もしくは雲南省あたりにあった小国。漢の武帝からの使者に対して、夜郎の西にあった滇(てん)国の王、嘗羌(しょうきょう)が「漢とこの国ではどちらが大きいか」と訊ねた以下の記事より。
【白文】
  • 滇王與漢使者言曰 漢孰與我大 及夜郎侯亦然 以道不通故各自以為一州主 不知漢廣大
【訓読文】
  • 滇王、漢の使者に言いて曰はく、「漢と我と、孰れが大なるか」と。夜郎侯に及びても亦然り。道の通ぜざるが故、各自ら一州の主と為るをもちて 漢の廣大なるを知らず。
【現代語訳】
  • 滇王は、漢の使者に訊ねて言った、「漢と我が国と、どちらが大きいのか」。夜郎の王が漢の使者にあったときも同じ質問を発した。(中原から)はるかに遠く不便な所にあるので(漢の勢力が及ばず)、おのおの、州程度の広さの領主となれているのであって、漢がいかに広大な領土を有しているか知らないのだ。

関連語[編集]


中国語[編集]

成句[編集]

   yèlángzìdà

  1. (日本語に同じ)