奧

漢字

奧

異体字 : 䐿（語義12）, 噢（語義13）, 墺（語義10）, 奥（新字体/簡体字）, 澳（語義9）, 燠（語義11）, 𠆇, 𠆑, 𡪃, 𡪿（同字）, 𢍢（本字）, 𫯱（俗字）

会意。「匊」+「廾（𠬞）（物を捧げる両手の形）」で、米を奥にしまう形から成る^{[字源 1]}。
- この「匊」は、「掬」「鞠」「菊」などに従う「匊」とは無関係（掬#字源、鞠#字源参照）。「釆」も無関係。
- 「宀（屋根・屋内）」+「釆（「播」の原字、細々としたもの）」+「大（人が手を広げた様）」で、暗い屋内で手を広げ細々したものを探る様子とも言われるが、この記述は資料と一致していない記述が含まれていたり根拠のない憶測に基づいていたりするためコンセンサスを得られていない。

部屋の西南の隅。神棚がまつられ、家長の座すところとされ、家屋において最も神聖な場所とされた。
おく。入口（いりぐち）から遠（とお）い場所。幽深（ゆうしん）としているところ。
おく深い。
- 奧義、深奧
- 地名の前に付いた場合は奥日光、奥多摩のように「川の上流部などの標高の高い地域」、または奥能登のように「半島の先端部」を意味する。
責任者。
洗練されている、よく知っている。精深な。
豚小屋。
竈神。
汚濁している。
（方言）この上なく好ましいこと。
「澳」の同字（『漢語大字典』掲載）。水辺。
「墺」の同字（『漢語大字典』掲載）。四方のどこも定住にふさわしい場所。
「燠」の同字（『漢語大字典』掲載）。暖かい。
「䐿」の同字（『漢語大字典』掲載）。漬物。
「噢」の同字（『集韻』掲載）。「奧休」として使用される字。

音	漢音: イク[ヰク]、オウ[アウ] 呉音: オウ[アウ]、オク[ヲク]
訓	訓読み: おく、おく-まる、くま

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: ào (ao4), yù (yu4)
  - ウェード式: ao⁴, yü⁴
- 四川語
  - ピンイン: ngao4
- 広東語
  - イェール式: ou3, juk1
  - 台山語: au1
- 閩南語
  - 泉漳語
    - POJ: ò, àu
  - 潮州語
    - ピンイン: o3
- 閩東語
  - 平話字: ó̤
- 閩北語
  - KCR: āu, ngāu
- 客家語
  - 四県腔
    - 白話字: o
  - 梅県話
    - ピンイン: au4
- 呉語
  - ピンイン: au3
- 贛語: ngau4
- 晋語: ghau3
- 湘語
  - 長沙語: ngau4

奧	U+5967, 奧 CJK 統合漢字-5967

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+5967
日	JIS X 0213/0208: 1面52区92点 [第2水準] (`Shift_JIS=0x9AFA`, `EUC-JP=0xD4FC`, `ISO-2022-JP=0x547C`) MJ文字図形: MJ009527
中	GB18030: `0x8A57`
台	Big5: `0xB6F8` CNS 11643: 1面 `0x635F`
韓	KS X 1001: `0x6773`