完全無欠

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

日本語[編集]

名詞[編集]

完全無欠(かんぜんむけつ)

  1. 欠点不足が全くないこと。完璧なこと。非の打ち所がないこと。
    • 天井にも床にも、怪しむべき個所はまったくなかった。完全無欠の密室である。(江戸川乱歩「影男」)〔1955年〕[1]
    • しかし君らだって僕と同じようなものさ。僕は諸君の完全無欠や優越や美点を何とも思わない。すべての美点は欠点のうちに投げ込まれるものだ。(ビクトル・ユーゴー「レ・ミゼラブル」)〔豊島与志雄訳1918-1919年〕[2]

類義語[編集]

形容動詞[編集]

完全無欠(かんぜんむけつ)

  1. 欠点不足がまったくない完璧な様。
    • その上に立ってる首領は、ごく純潔で、ごく冷静で、わがままで、多少子供らしい人物だったが、宗教的で道徳的で芸術的であるその教義の完全無欠さを力説し、選まれたる少数の人民らに、音楽の福音書を抽象的な言葉で説明し、驕慢と異端とを平然としてののしっていた。(ロマン・ローラン「ジャン・クリストフ」)〔豊島与志雄訳1920年〕[3]
    • 俺は別な見方をしとる。完全無欠な男はいない。時々は、的をはずすさ(フレッド・M・ホワイト「黄金薔薇」)〔奥増夫訳2019年〕[4]

類義語[編集]

[編集]

  1. 青空文庫(2019年7月9日作成)(底本:「影男」江戸川乱歩文庫、春陽堂書店、1993年11月20日新装第3刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/58486_68507.html 2019年10月5日参照。
  2. 青空文庫(2007年1月16日作成、2013年4月21日修正)(底本:「レ・ミゼラブル(二)」岩波文庫、岩波書店、1987年4月16日改版第1刷。「レ・ミゼラブル(三)」岩波文庫、岩波書店、1987年5月18日改版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001094/files/42602_25760.html 2019年10月5日参照。
  3. 青空文庫(2008年1月27日作成)(底本:「ジャン・クリストフ(二)」岩波文庫、岩波書店、1986年7月16日改版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001093/files/42594_29601.html 2019年10月5日参照。
  4. 青空文庫(2019年6月7日作成、CC BY 2.1 JP公開)(底本:The Golden Rose. Ward Lock & Co, London, 1913)https://www.aozora.gr.jp/cards/002043/files/59880_68320.html 2019年10月5日参照。