擯斥

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

日本語

[編集]
この単語の漢字
ひん
表外漢字
せき
常用漢字
音読み

名詞

[編集]

(ひんせき)

  1. 退けること。除け者にすること。排斥すること。
    • 今はなぜこう窮屈になったろう。右を見ても左を見ても人は我を擯斥ひんせきしているように見える。たった一人の友達さえ肝心かんじんのところで無残むざんの手をぱちぱちたたく。――夏目漱石 (1907年). “図書カード:野分”. 青空文庫. 2023年5月21日閲覧。
    • 末造の子供は学校では、高利貸の子だと云って、友達に擯斥ひんせきせられても、末造が綺麗好で、女房に世話をさせるので、目立って清潔になっていたのが、今は五味ごみだらけの頭をして、ほころびたままの着物を着て往来で遊んでいることがあるようになった。――森鴎外 (1912年). “図書カード:雁”. 青空文庫. 2023年5月21日閲覧。
    • かくして、恐るべきのろいの女は、用意の毒薬を服し、線路によこたわって、名誉の絶頂から擯斥ひんせきの谷底に追い落され、獄裡ごくり呻吟しんぎんするであろう所の夫の幻想に、物凄い微笑を浮べながら、急行列車の轍にかかるのを待ったのである。――江戸川乱歩 (1923年). “図書カード:一枚の切符”. 青空文庫. 2023年5月21日閲覧。

動詞

[編集]