熱する

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

動詞[編集]

する (ねっする)

  1. (自動詞) 温度を感じる程度まで上がる
    • 1927年、小酒井不木「自殺か他殺か」[1]
      よく人は物事を考えると頭が熱するというけれど、僕はちょうど反対だ。僕は考えれば考えるほど、頭も身体も涼しくなるよ。
    • 1935年、太宰治「老年」[2]
      鉄は赤く熱しているうちに打つべきである。花は満開のうちに眺むべきである。私は晩成の芸術というものを否定している。
  2. (他動詞) 熱を加え、ある物の温度を上げる
    • 1941年、宮本百合子「本棚」[3]
      それは化学のノートで、おそらく高校時代の父が筆記したのだろうと思える。試験管を焔の上で熱する図などが活々としたフリーハンドで插入されていて
    • 1942年、石原純「ロバート・ボイル」[4]
      このほかにボイルは、金属を空中で熱して、それに錆がつくようになると、この金属の重さがいくらか重くなることを見つけ出しました。
  3. (自動詞) 感情高ぶる情熱的になる。
    • 1925年、菊池寛「第二の接吻」[5]
      倭文子は、一刻も早く村川の前から、逃れたそうにした。村川は、倭文子が冷淡になればなるほど、熱して来た。
    • 1928年、萩原朔太郎「詩の原理」[6]
      外国に於て見れば、バイロンは正義に殉じた熱血児で、ハイネはプラトニックに恋愛を歌いつつ、革命に熱した人生の戦士であった。

活用[編集]

類義語[編集]

語義2

翻訳[編集]

[編集]

  1. 青空文庫(2010年8月12日作成、2011年4月30日修正)(底本:「小酒井不木探偵小説選 〔論創ミステリ叢書8〕」論創社、2004(平成16)年7月25日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000262/files/48072_40207.html
  2. 青空文庫(2005年3月21日作成、2016年7月12日修正)(底本:「太宰治全集10」ちくま文庫、筑摩書房、1989(平成元)年6月27日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1587_18164.html
  3. 青空文庫(2003年9月15日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第4刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3994_12757.html
  4. 青空文庫(2018年12月24日作成)(底本:「偉い科學者」實業之日本社、1942(昭和17)年10月10日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001429/files/58023_66753.html
  5. 青空文庫(2021年2月26日作成)(底本:「第二の接吻」文春ネスコ、2002(平成14)年10月4日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000083/files/47565_72808.html
  6. 青空文庫(2007年2月19日作成、2019年11月26日修正)(底本:「詩の原理」新潮文庫、新潮社、1975(昭和50)年9月10日27刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/2843_26253.html