省

漢字

省

• 部首: 目目 + 4 画
• 総画: 9画9
• 筆順 :

音

字音一覧

	中古音の声調	『広韻』	『平水韻』	漢音	呉音	普通話	朝鮮語	ベトナム語
A	上声	静韻	梗韻	セイ	（シャウ）	xĭng	성
B	上声	梗韻		（セイ）	シャウ	shěng	생
C							성	tỉnh

（括弧内は殆ど使われない字音。なおAとBCとで反切が区別されるので同じ上声でも分けて表した。）

意義

（括弧内は『広韻』、外は『平水韻』に従う。一致する場合括弧は記さず。）

A: 上声梗（静）韻

動詞

1. みる。

   「省察」

   「退而省_二其私_一、」（退きて其の私（わたくし）を省^（せい）するに、）

   （顔回が）引き下がってから（わたしが）彼の私生活を見ると、（『論語』「爲政第二」【二之九】）

   「省」字を「みる」と訓読する流儀もある。

2. かえりみる。振り返る。

   「反省」、「自省」、「内省」、「三省」

   「吾日三省_二吾身_一」（吾（われ）日に三たび吾（わ）が身を省（かへり）みる。）

   私は毎日三回自分自身をふりかえることにしている。（『論語』「學而第一」【一之四】）

   「瞻_レ彼省_レ己、此理必定。」（彼を瞻（み）て己を省（かへり）みるに、此の理必定なり。）

   他人を見上げて自分自身を振り返ると、このようなことが（自分にも）必ず起こる（ことに気づく）。（最澄『願文^{（ぐゎんもん）}』）

3. 訪れる。親の安否を夕方にたずねる。（朝にたずねるのを定という。）

   「帰省」、「定省」

BC: 上声梗韻

B: 動詞

1. はぶく。

   「省略」

   「約者法令省而不_レ煩。」（約は法令省（はぶ）きて煩（わづら）はしからず。）

   （司令官として五番目に大切な）約とは法令が（細かいことを）省略して煩雑でないことである。（『吳子』「論將第四」）

C: 名詞

1. （律令及び行政組織法において）仕事を行う国家機関。cf.「部」

   「尚書省」、「文部科学省」、「厚生労働省」など

   「蘭省花時錦帳下」（蘭省^{（らんしゃう）}の花の時錦の帳（とばり）の下（もと））

   （あなたがたが）尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる（のに対して）（『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」）

2. 中国およびベトナムの地方の区分け。縣より上。（行省の略。）

   「省都」、「副省級市」

   • 中国では「(地名)省」と、漢越語では「省(地名)」とする。

     「福建省^{（ふっけんしょう）}」、「広東省^{（カントンしょう）}」、「省廣南^{（クアンナムしょう）}」など

日本語

発音^(?)

• 音読み
  • 呉音 : ショウ(シャゥ)
  • 漢音 : セイ(セィ)
• 訓読み
  • 常用漢字表内

    はぶ-く、かえり-みる

  • 常用漢字表外

    さとし

名詞

1. （歴史）律令制における行政機関。
   1. 隋唐代の律令制下における行政組織（名目的には清代まで継続）で皇帝に直属し、中書省・門下省・尚書省が置かれ、尚書省の下には実務機関としての六部がおかれた。
   2. 日本の律令制下における行政組織で太政官の下に八省がおかれた。
2. （政治）内閣制度における行政機関で内閣下にあっては最上位層に属するもの。
3. 現代中国の地方行政区分。

熟語

• 帰省
• 省略
• 反省
• 略省

中国語

省 *

• ローマ字表記
  • 普通話
    • ピンイン: shěng (sheng3)、xǐng (xing3)
    • ウェード式: sheng³
  • 広東語
    • イェール式: saang2, sing2

朝鮮語

省 *

• ハングル: 성, 생
  • 文化観光部2000年式: seong, saeng
  • マッキューン＝ライシャワー式: sŏng, saeng
  • イェール式: seng, sayng

ベトナム語

省 *

• ローマ字表記
  • Quốc ngữ: tỉnh

コード等

• Unicode
  • 16進：7701
  • 10進：30465
• JIS X 0208(-1978,1983,1990)
  • JIS
    • 16進：3E4A
  • Shift JIS
    • 16進：8FC8
  • 区点：1面30区42点
• 四角号碼 : 9060₂
• 倉頡入力法 : 火竹月山 (FHBU)