「省」の版間の差分

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! [[#A: 上声梗(静)韻|A]]
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! [[#B: 動詞|B]]
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! [[#C: 名詞|C]]
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#:::「省」字を「みる」と訓読する流儀もある。
#:::「省」字を「みる」と訓読する流儀もある。
#'''[[かえりみる]]'''。振り返る。
#'''[[かえりみる]]'''。振り返る。
#:「[[反省]]」、「[[自省]]」、「[[内省]]」、「[[三省]]」
#:「[[反省]]」、「[[自省]]」、「[[内省]]」、「{{ふりがな|[[三省]]|さんせい}}<!-- 読み方によって意味がことなる -->
#:「吾日三省<sub>二</sub>吾身<sub>一</sub>」({{ふりがな|吾|われ}}日に三たび{{おくりがな2|吾|わ|が|わが}}身を{{おくりがな2|省|かへり|みる|かへりみる}}。)
#:「吾日三省<sub>二</sub>吾身<sub>一</sub>」({{ふりがな|吾|われ}}日に三{{おくりがな2|吾|わ|が|わが}}身を{{おくりがな2|省|かへり|みる|かへりみる}}。)
#::私は毎日三自分自身をふりかえることにしている。([[:zh:s:論語/學而第一|『論語』「學而第一」]]【一之四】)
#::私は毎日三つのことについて自分自身をふりかえることにしている。([[:zh:s:論語/學而第一|『論語』「學而第一」]]【一之四】)
#::([[:w:朱子|新註]]による解釈。これに対して日本における伝統的な解釈による書き下しについては[[三省]]の項目をご覧ください。なお、送りがなは「みる」でも「る」のみでも可い。)
#:「瞻<sub>レ</sub>彼'''省'''<sub>レ</sub>己、此理必定。」(彼を{{おくりがな2|瞻|み||みる}}て己を{{おくりがな2|省|かへり|みる|かへりみる}}に、此の理[[必定]]なり。)
#:「瞻<sub>レ</sub>彼'''省'''<sub>レ</sub>己、此理必定。」(彼を{{おくりがな2|瞻|み||みる}}て己を{{おくりがな2|省|かへり|みる|かへりみる}}に、此の理[[必定]]なり。)
#::他人を見上げて自分自身を振り返ると、このようなことが(自分にも)必ず起こる(ことに気づく)。([[:w:最澄|最澄]]『願文<sup>(ぐゎんもん)</sup>』)
#::他人を見上げて(以上のことを観察したあとで)自分自身を振り返(って観察す)ると、このようなことが(自分にも)必ず起こる(ことに気づく)。([[:w:最澄|最澄]]『願文<sup>(ぐゎんもん)</sup>』)
#訪れる。親の安否を夕方にたずねる。(朝にたずねるのを[[定]]という。)
#訪れる。親の安否を夕方にたずねる。(朝にたずねるのを'''[[定]]'''という。)
#:「[[帰省]]」、「[[定省]]」
#:「[[帰省]]」、「[[定省]]」


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#::(司令官として五番目に大切な)約とは法令が(細かいことを)省略して煩雑でないことである。([[:zh:s:吳子|『吳子』]]「論將第四」)
#::(司令官として五番目に大切な)約とは法令が(細かいことを)省略して煩雑でないことである。([[:zh:s:吳子|『吳子』]]「論將第四」)
=====C: 名詞=====
=====C: 名詞=====
#([[w:律令|律令]]及び[[w:行政組織法|行政組織法]]において)[[仕事]]を行う[[国家機関]]。cf.「[[部]]」
#([[w:律令|律令]]及び[[日本]]・[[朝鮮民主主義人民共和国|朝鮮]][[w:行政組織法|行政組織法]]において)[[仕事]]を行う[[国家機関]]。なお、日本・朝鮮の省」にあたるものを、[[中国]]、[[韓国]]、[[ベトナム]]では「'''[[部]]'''という。
#:「[[w:尚書省|尚書省]]」、「[[:w:文部科学省|文部科学省]]」、「[[:w:厚生労働省|厚生労働省]]」など
#:「[[w:尚書省|尚書省]]」、「[[:w:文部科学省|文部科学省]]」、「[[:w:厚生労働省|厚生労働省]]」、「[[:w:ko:조선민주주의인민공화국 재정성|財政省]]」など
#:「蘭省花時錦帳下」([[w:尚書省|蘭省]]<sup>(らんしゃう)</sup>の花の時錦の{{ふりがな|帳|とばり}}の{{ふりがな|下|もと}})
#:「蘭省花時錦帳下」([[w:尚書省|蘭省]]<sup>(らんしゃう)</sup>の花の時錦の{{ふりがな|帳|とばり}}の{{ふりがな|下|もと}})
#::(あなたがたが)尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる(のに対して)(『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」)
#::(あなたがたが)尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる(のに対して)(『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」)
#[[中国]]および[[ベトナム]]の[[地方]]の区分け。[[縣]]より上。([[w:行中書省|行省]]の略。)
#中国およびベトナムの[[地方]]の区分け。[[縣]]より上。([[w:行中書省|行省]]の略。)
#:「[[:w:省都|省都]]」、「[[:w:副省級市|副省級市]]」
#:「[[:w:省都|省都]]」、「[[:w:副省級市|副省級市]]」
#:*中国では「(地名)省」と、[[:w:vi:Từ Hán-Việt|漢越語]]では「省(地名)」とする。
#:*中国では「(地名)省」と、[[:w:vi:Từ Hán-Việt|漢越語]]では「省(地名)」とする。
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* 訓読み
* 訓読み
** 常用漢字表内
** 常用漢字表内
**: [[はぶく|はぶ-く]][[かえりみる|かえり-みる]]
**: [[かえりみる|かえり-みる]]([[#A: 上声梗(静)韻|A]])、[[はぶく|はぶ-く]]([[B: 動詞|B]])
** 常用漢字表外
** 常用漢字表外
**: [[さとし]]
**: [[さとし]]

2010年2月11日 (木) 04:45時点における版

漢字

字源

字音一覧
中古音 現代中国語 日本語 朝鮮語 ベトナム語
中古音の声調 広韻 平水韻 普通話 漢音 呉音 朝鮮漢字音 漢越語
A 上声 静韻 梗韻 xĭng セイ (シャウ)
B 上声 梗韻 shěng (セイ) シャウ
C tỉnh

括弧内は殆ど使われない字音。なおAとBCとで反切が区別されるので同じ上声でも分けて表した。

意義

(括弧内は『広韻』、外は『平水韻』に従う。一致する場合括弧は記さず。)

A: 上声梗(静)韻

動詞
  1. みる
    省察
    「退而其私、」(退きて其のわたくし(せい)するに、)
    顔回が)引き下がってから(わたしが)彼の私生活を見ると、(『論語』「爲政第二」【二之九】)
    「省」字を「みる」と訓読する流儀もある。
  2. かえりみる。振り返る。
    反省」、「自省」、「内省」、「三省さんせい
    「吾日三省吾身」(われ日に三つが身をかへりみる。)
    私は毎日三つのことについて自分自身をふりかえることにしている。(『論語』「學而第一」【一之四】)
    新註による解釈。これに対して日本における伝統的な解釈による書き下しについては三省の項目をご覧ください。なお、送りがなは「みる」でも「る」のみでも可い。)
    「瞻己、此理必定。」(彼をて己をかへりみるに、此の理必定なり。)
    他人を見上げて(以上のことを観察したあとで)自分自身を振り返(って観察す)ると、このようなことが(自分にも)必ず起こる(ことに気づく)。(最澄『願文(ぐゎんもん)』)
  3. 訪れる。親の安否を夕方にたずねる。(朝にたずねるのをという。)
    帰省」、「定省

BC: 上声梗韻

B: 動詞
  1. はぶく
    省略
    「約者法令而不煩。」(約は法令はぶきてわづらはしからず。)
    (司令官として五番目に大切な)約とは法令が(細かいことを)省略して煩雑でないことである。(『吳子』「論將第四」)
C: 名詞
  1. 律令及び日本朝鮮行政組織法において)仕事を行う国家機関。なお、日本・朝鮮の「省」にあたるものを、中国韓国ベトナムでは「」という。
    尚書省」、「文部科学省」、「厚生労働省」、「財政省」など
    「蘭省花時錦帳下」(蘭省(らんしゃう)の花の時錦のとばりもと
    (あなたがたが)尚書省にいて、花が咲き誇るころに錦の帳の下にいる(のに対して)(『白氏文集』「廬山草堂雨夜獨宿」)
  2. 中国およびベトナムの地方の区分け。より上。(行省の略。)
    省都」、「副省級市

日本語

発音(?)

名詞

  1. (歴史)律令制における行政機関。
    1. 隋唐代の律令制下における行政組織(名目的には清代まで継続)で皇帝に直属し、中書省門下省尚書省が置かれ、尚書省の下には実務機関としての六部がおかれた。
    2. 日本の律令制下における行政組織で太政官の下に八省がおかれた。
  2. (政治)内閣制度における行政機関で内閣下にあっては最上位層に属するもの。
  3. 現代中国の地方行政区分。

熟語

中国語

*

熟語

朝鮮語

*

熟語

ベトナム語

*

コード等