登竜門

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登龍門 および 登龙门 も参照。

日本語[編集]

異表記・別形[編集]

名詞[編集]

(とうりゅうもん)

  1. 有力者の知遇を得ることや試験コンテスト就職などの出世の糸口となる数少ない機会
    • 今もよく記憶しているが、そのころは徳富蘇峰さんが文筆界の中心になっていたようである。文壇という言葉も、このころ田村三治などの仲間がはじめて使い出したとか、田村からきいたことがあった。したがって当時は文壇人という者が非常に少なく、徳富さんに招ばれるということが、一つの登竜門になっていた。(柳田国男 『故郷七十年』)
    • 昔の士族気質から唯一の登龍門と信ずる官吏となるのを嫌って、碌でもない小説三昧に耽けるは昔者の両親の目から見れば苦々しくて黙っていられなかった。(内田魯庵二葉亭四迷の一生』)

由来[編集]

  • 後漢書・党錮列伝・李膺伝』中の句「士有被其容接者、名為登竜門」より。
    「竜門」は黄河流域の急流部で、そこを遡った鯉は竜となると言う伝説(鯉躍竜門)があった。後漢末期の役人李膺は公明正大・気骨のある有力者で彼に知遇を得ることは「『龍門』を登ったようなもの」と言われた。
    語の構成は「竜門を登る」であり、元の漢語は場所などを指すものではない。