老いては子に従え

日本語

成句

老（お）いては子（こ）に従（したが）え

1. 年を取ったら何事も子供に任せて、それに従うのがいいということ。
   • 「先祖からのこの家に、おっ母をおくのも今夜かぎりになった。やくざに出来たこの百は、後で、どんなにでも、折檻してくんな。今は、何もかも話してる間がねえんだ。――さ、すぐに支度をして」 「支度って、おまえ……」おしげの声は、ふるえを帯びた。「旅に出よう、なあ、おっ母」 「じゃおぬしのあては……。いやいや、いうまい。老いては子にしたがえじゃ。百よ、どこへでも連れて行っておくれ」（吉川英治 『野槌の百』）

参考

• 江戸いろはがるたでは、「を」に当てられているが、古来より仮名遣いは「老（お）いては」である。

由来

『大智度論』「女人之体、幼則従父母、少則従夫、老則従子」より。

• 元は、『儀礼（ぎらい）・喪服・子夏伝』「婦人有三從之義，無專用之道。故未嫁從父，既嫁從夫，夫死從子。」などに見られる「三従」の教えの一つ。

参照

• 上方いろはがるた:鬼も十八、負うた子に教えられ

  幸田露伴『東西伊呂波短歌評釈』

  • 共に仮名違ひながら其は云はでも有らなむ。一は老者の自ら主とせざるを可とするを云ひ、一は幼者の智も亦また師とす可きあるを云へる、彼此共に其の意の聊か似通へるところあるもをかし。

• 尾張いろはがるた:鬼の女房に鬼神