近傍

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

名詞[編集]

(数学)近傍とならない例。長方形(部分集合)V の角の点 p に対して、Vp の近傍ではない。Vp を含む開集合を含むことができない。

(きんぼう)

  1. 近く場所
    • 1898年、国木田独歩「忘れえぬ人々」[1]
      奥に松山を控えているだけこの港の繁盛は格別で、分けても朝は魚市が立つので魚市場の近傍の雑踏は非常なものであった。
    • 1902年、丘浅次郎「生物学より見たる教育」[2]
      春のころ田や池の近傍を散歩すると水の中に蛙の卵がいっぱいにあるのを見るが、これだけの卵がみなかえって蛙になったら実におる場所があるまいと思われる。
  2. (位相空間論) 位相空間について、その点を含む開集合を少なくともひとつ含む、その位相空間の部分集合。位相空間を E、その位相TE 上の点を p とし、T を構成する開集合 UpUV を満たすものがあるとき、そのような E 上の部分集合 Vp の近傍という。単に「近傍」と言うときは、近傍 V は開集合(開近傍)を指すことが多い。

類義語[編集]

派生語[編集]

翻訳[編集]

語義1

語義2

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  1. 青空文庫(2009年3月28日作成)(底本:「武蔵野」岩波文庫、岩波書店、2002年4月5日第77刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000038/files/1409_34798.html 2019年3月21日参照。
  2. 青空文庫(2017年8月25日作成)(底本:「進化と人生(上)」講談社学術文庫、講談社、1976年11月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001474/files/57422_62569.html 2019年3月21日参照。