遇する

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

動詞[編集]

する (ぐうする)

  1. (他動詞, 文章語) 〔人や事物を〕受け取り扱う待遇する。応対する。
    • 1936年、佐藤春夫「尊重すべき困つた代物」[1]
      この機を利用して自分は太宰の自重大成を祈ると同時に彼の周囲の人々が彼を遇するの道をも明かにして置く者である。――彼を知る芸術的血族の一人として。
    • 1948年、楠田匡介「雪」[2]
      今一人の樺太航路の第二恵須取丸の伊東憲助事務長は久三がまだ達者で、北海道の方へよく古書あさりに出かけたころからの知りあいで最近では久三は彼を自分の使用人のように遇していた。
    • 1952年、岸田國士「演劇への入口」[3]
      その上、無断上演の暴挙が半ば公然と行われ、作者の許可を得たものでも、脚本使用に対する応分の謝礼がなされている例は、ほとんど絶無にちかい。この野蛮な風習だけをみても、日本の劇作家が、社会からいかに遇されているかを想像しうるのである。

活用[編集]

遇-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 遇しない 未然形 + ない
否定 遇せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
遇される 未然形 + れる
丁寧 遇します 連用形 + ます
過去・完了・状態 遇した 連用形 +
言い切り 遇する 終止形のみ
名詞化 遇すること 連体形 + こと
仮定条件 遇すれば 仮定形 +
命令 遇せよ
遇しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫、2018年5月27日作成(底本:「定本 佐藤春夫全集 第21巻」臨川書店、1999(平成11)年5月10日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001763/files/58593_64940.html
  2. 青空文庫、2017年1月1日作成(底本:「探偵小説アンソロジー 甦る名探偵」光文社文庫、光文社、2014(平成26)年10月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001866/files/57499_60657.html
  3. 青空文庫、2011年2月19日作成(底本:「岸田國士全集28」岩波書店、1992(平成4)年6月17日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44844_42368.html