付録:ツォツィル語の発音表記

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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シナカンタン方言における音素の解説です。

母音[編集]

文字 IPA 備考
a /ä/
e /ɛ/
i /i/
o 円唇: /ɔ/; 非円唇: /ʌ/ 円唇から非円唇の間でゆれがある。
u 円唇: /u/; 非円唇: /ɯ/ 円唇から非円唇の間でゆれがある。

子音[編集]

音自体の位置や前後に来る他の音の影響により音が変質する場合があります。

文字 IPA 備考
' /ʔ/ 一見母音で始まっている様に思われる語の語頭にはこの子音が存在するが、ロバート・M・ラフリン(Robert M. Laughlin)による文献以外では語頭の「'」はほとんど表記されない傾向にある。他の子音の直後に「'」表記が存在する場合、放出音として別の記号が割り当てられる為、IPA上は声門閉鎖音としては表記されない。
b /b/ 語頭や母音間では入破音/ɓ/となりやすい。更に母音間にある場合、声門閉鎖音が先行する為/ʔɓ/となる。子音の前にある場合、直前の母音を鼻母音化し、b自体は/ʔm/となる。語末では/ʔm̥/となる(例: tseb)。
ts /t͡sʰ/ 帯気音 (wp)。表記ゆれとしてtzが存在する。
ts' /t͡sʼ/ 放出音。表記ゆれとしてtz'が存在する。
ch /t͡ɕʰ/ 帯気音。
ch' /t͡ɕʼ/ 放出音。
d /d/ 借用語にのみ現れる。
f /f/ 借用語にのみ現れる。
g /ɡ/ 借用語にのみ現れる。
j /h/ /ʔ/の前に来る場合、非常に弱い音となる。
k /kʰ/ 帯気音。語末では特に帯気性が強まる。
k' /kʼ/ 放出音。
l /l/ 語末では無声のoff-glide (en)となる。
m /m/
n /n/
p /pʰ/ 帯気音。語末で帯気性が強まる。
p' /pʼ/ 放出音。
r /ɾ/ 語末ではふるえ音/r/となる。
s /s/
x /ɕ/
t /tʰ/ 帯気音。
t' /tʼ/ 放出音。
v /v/ /ä/の前では両唇音/β/となる。語末では無声のoff-glideとなる。
w /β/ 借用語にのみ現れる。
y /ʑ/ 語末では無声のoff-glideとなる。

参考文献[編集]