覆水盆に返らず

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日本語[編集]

成句[編集]

(ふくすい)(ぼん)にかえ

  1. 一度離婚した夫婦は元に戻ることはできない。
    • 覆水盆にかえらず。人倫は水のように自然のものなんだ。ひっくりかえって流れた水は、どう仕様もねえや。もっとも、自然に元へ集ってくれるなら、それも良しさね。(坂口安吾『街はふるさと』)
  2. 一度起きてしまった事は二度と元には戻らない。
    • 玄徳としては、光武帝の故智に倣わんとしたものかもしれないが、結果においては、ひとたび漢朝を離れた民心は、いかに呼べど招けど―― 覆水フタタビ盆ニ返ラズ――の観があった。(吉川英治三国志 篇外余録』)

由来[編集]

  • 古代中国の重臣であった太公望が、昔の妻から復縁を迫られた時に盆(中国語において「盆」はどんぶり大のボウル)の上に水を持ってきて下に撒いた後で「この水を盆の上に戻す事は出来ないように、私たちの仲も元に戻る事は無い」と言ったという故事から。元の文は「覆水難収」(覆水収め難し)。(出典『拾遺記後秦(384年 - 417年)において390年頃までに成立)
  • なお、太公望のエピソードとは別に『後漢書・何進伝』に「國家之事易可容易、覆水不收、宜深思之」なる句がある。

類義句[編集]

対義句[編集]

他国語の同義句[編集]