kĩĩhuruta

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

キクユ語[編集]

異表記・別形[編集]

語源[編集]

Hinde (1904) は英語 butterfly にあたるキクユ語「ジョゴウィニ方言」(Jogowini dialect)の訳語として kihurruta を記録している[1]

発音(?)[編集]

  • IPA: /kèːhúɾùːtáꜜ/
最後から二番目の u は長母音である[2]
Benson (1964) では声調クラスの分類は「クラス5」で、他に同クラスの4音節語幹語には kĩgorogorukĩĩhutaatĩ などがある。
  • 〔キアンブ方言〕湯川 (1981) では gĩcigĩrĩrangũngũninjegeekeitararagĩtumumu などと同じ「二峰型」アクセントに分類されている[3]が、湯川 (1985) ではこのうち njegeekeitararagĩtumuumu と共に「二峰高高型」に再分類されている[4]
  • 〔リムル方言〕湯川 (1981:101-102) によると孤立形は [kèèhúɾùùtá] で、後ろに gĩĩkĩ〈この〉が続く場合も [kèèhúɾùùtá ɣèèké]、後ろに gĩakwa〈私の〉が続く場合も [kèèhúɾùùtá ɣèàkóá]、後ろに がある場合も [kèèhúɾùùtá né]、前に がある場合も [né kèèhúɾùùtá] であるが、前に ti がある場合は [tì kééhúɾùùtá] となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによってアクセントの変動が見られる[3]。なお、ti の高さについてはリムル方言と同じくキアンブ方言に属するナイロビ方言を調査した湯川 (1985:199) で高いと訂正されている[4]
  • 〔ナイロビ方言〕湯川 (1985:199,201) で孤立形や前に および ti がある場合について分析が行われているが、このうち前に ti がある場合に [kééhùɾùùtá] となる点以外はリムル方言と同じである[4]。また、前に kũhe(動詞〈与える〉の不定形)がくる場合には [kòhɛ̀ kèèhúɾùùtá](湯川 1985: 202)、前に gũthika(動詞〈埋める〉の不定形)がくる場合にも [ɣòðìká kèèhúɾùùtá](湯川 1985: 203)となる。

名詞[編集]

ĩhuruta クラス7(複数: ciĩhuruta

脚注[編集]

  1. Hinde, Hildegarde (1904). Vocabularies of the Kamba and Kikuyu languages of East Africa, pp. 10–11. Cambridge: Cambridge University Press.
  2. "ĩhuruta" in Benson, T.G. (1964). Kikuyu-English dictionary, p. 197. Oxford: Clarendon Press.
  3. 3.0 3.1 湯川恭敏 (1981).「キクユ語名詞アクセント試論――リムル方言について――」 『アジア・アフリカ言語文化研究』22, 75-123.
  4. 4.0 4.1 4.2 湯川恭敏 (1985).「キクユ語名詞アクセント再論」 『アジア・アフリカ言語文化研究』29, 190-231.