kĩgokora
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キクユ語
[編集]語源
[編集]Hinde (1904) は英語 elbow に対応するキクユ語「ジョゴウィニ方言」(Jogowini dialect)の訳語として kiokora(複数: iokora)を記録している[1]。なお、これに対応するカンバ語「ウル方言」(Ulu dialect; マチャコスから海岸部にかけての方言)は kikokoa(複数: ikokoa)とされている[1]。
- IPA: /kèɣɔ̀(ː)kɔ́ːɾà(ꜜ)/
- 最初の o は短母音の場合と長母音の場合いずれもあり得るが、2番目の o は必ず長母音となる[2]。
- Benson (1964:xxviii–xxix) によると孤立形の声調パターンは一番低いものを1とした場合「2、2、下降、1」であるが、前に nĩ が置かれて Nĩ kĩgookoora.「肘である。」と言う場合は nĩ を含めて「3、3、2、下降、1」、前に ti が置かれて Ti kĩgookoora.「肘ではない。」と言う場合は ti を含めて「2、2、2、下降、1」となるなど前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによって声調の変動が見られる。Benson (1964) では声調クラスの分類は「クラス3」で、他に同クラスの3音節語幹語には、mbarĩki、kiumĩri、thimiti などがある。
- 〔キアンブ方言〕IPA: /kèɣɔ̀kɔ́ːɾà(ꜜ)/
- 湯川 (1981, 1985) ともに kĩgokoora として gĩcũhĩ、mũgogo(複数: mĩgogo)、mũberethi、mũthamaki、thabina、njogoo、Mũthũngũ、mũthanga、rĩithori(複数: maithori)、mũcemanio、kĩroruha、ndagitari などと同じ「高低I型」アクセントの名詞であるとしている[3][4]。
- 〔ムランガ方言〕IPA: /kèɣɔ̀ːkɔ́ːɾà/
- Kagaya (1982:33) によると、孤立形および後ろに nĩ がある場合は [kèɣɔ̀ːkɔ́ːɾà] で、 前に nĩ がある場合は [kéɣɔ̀ːkɔ́ːɾà]、前に ti がある場合は [kéɣɔ́ːꜜkɔ́ːɾà] となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによって声調の変動が見られるが、この変動のパターンは gĩkorora と同様のものである[5]。
名詞
[編集]- 肘。
全体語
[編集]脚注
[編集]- ↑ 1.0 1.1 Hinde, Hildegarde (1904). Vocabularies of the Kamba and Kikuyu languages of East Africa, pp. 20–21. Cambridge: Cambridge University Press.
- ↑ "kĩgokora" in Benson, T.G. (1964). Kikuyu-English dictionary, p. 116. Oxford: Clarendon Press.
- ↑ 湯川恭敏 (1981).「キクユ語名詞アクセント試論――リムル方言について――」 『アジア・アフリカ言語文化研究』22, 75-123.
- ↑ 4.0 4.1 湯川恭敏 (1985).「キクユ語名詞アクセント再論」 『アジア・アフリカ言語文化研究』29, 190-231.
- ↑ Kagaya, Ryohei (1982). "Tonal Analysis of Kikuyu Nouns in Three Dialects: Murang'a, Nyeri and Ndia." In Journal of Asian and African Studies, No. 24, 1–42.
- ↑ 6.0 6.1 Gathara, Janeesther Wanjiru (2015). A cognitive approach to Gikuyu polysemy, pp. 23–24.