nyamũ
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キクユ語
[編集]- IPA: /ɲàmǒꜜ/
- Armstrong (1940:50,260) によると孤立形の声調パターンは「中、中かつ昇」であるが、前に ti を置いて Ti nyamũ.「動物ではない。」と言い切る場合は ti を含めて「高、高、高め」となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによって声調の変動が見られる。Benson (1964:xxiv–xxv) によると孤立形と前に ti がある場合の声調パターンの分析はアームストロングのものとほぼ同様で、前に nĩ を置いて Nĩ nyamũ.「動物である。」と言う場合は nĩ を含めて「高、高、中かつ昇」となる。Armstrong (1940) ではこの名詞を代表例とした mũguĩ、mũgwacĩ、rũkũ、Nyakĩo〈女性名の一つ〉、taata〈私のおば〉などと同じ「ɲamoクラス」という声調クラスに分類されている[1]。Benson (1964) では声調クラスの分類は「クラス6」で、他に同クラスの2音節語幹語には mũgwacĩ などがある[2]。
- 〔キアンブ方言〕湯川 (1981, 1985) ともに guuka、ngwacĩ、kanyamũ、ruo、ũta、taata〈おば〉、gũtũ、mũtwe などと同じ「昇型」アクセントの名詞としている[3][4]。
- 〔リムル方言〕湯川 (1981:81) によると孤立形は [ɲàmǒ] であるが、後ろに ĩno〈この〉が続く場合は [ɲàmò ènɔ́]、yakwa〈私の〉が続く場合も [ɲàmò jáákòà]、後ろに nĩ がある場合も [ɲàmò né] で、前に nĩ がある場合は [néé ɲámǒ]、前に ti がある場合は [tìí ɲámò] となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによってアクセントの変動が見られる[3]。なお、ti の高さについてはリムル方言と同じくキアンブ方言に属するナイロビ方言を調査した湯川 (1985:199) で高いと訂正されている[4]。
- 〔ナイロビ方言〕湯川 (1985:202) によると前に kũhe(動詞〈与える〉の不定形)がくる場合には [kòhɛ̀ɛ̀ ɲámǒ] となる[4]。
- カナ表記例: ニャモ[5]
名詞
[編集]nyamũ クラス9/10(複数: nyamũ)
- 動物。
下位語
[編集]派生語
[編集]名詞:
名詞句:
脚注
[編集]- ↑ Armstrong, Lilias E. (1940). The Phonetic and Tonal Structure of Kikuyu. Rep. 1967. (Also in 2018 by Routledge).
- ↑ Benson, T.G. (1964). Kikuyu-English dictionary. Oxford: Clarendon Press.
- ↑ 3.0 3.1 湯川恭敏 (1981).「キクユ語名詞アクセント試論――リムル方言について――」 『アジア・アフリカ言語文化研究』22, 75-123.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 湯川恭敏 (1985).「キクユ語名詞アクセント再論」 『アジア・アフリカ言語文化研究』29, 190-231.
- ↑ 杜, 由木『夜には、夜のけものがあるき 昼には、昼のできごとがゆく』東京図書出版、2015年。 ISBN 978-4-86223-828-3