いぬ

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日本語[編集]

名詞: 犬・狗[編集]

イヌ

いぬ

  1. 哺乳類食肉目イヌ科イヌ動物、学名は Canis lupus familiaris(以前は、種小名を除きCanis familiaris)。しばしば家畜にされ番犬として使われる。
  2. (番犬が従順であることから)子分手下
  3. (よく鼻が利くことから)スパイ間者
  4. (隠語)警察官のこと。
  5. 取るに足らないもの、つまらないもの、にせもの。「イヌサフラン」「イヌタデ」「イヌマキ」など、動植物名称の一部に使われる場合もある。(例外として「イヌノフグリ」は、犬の陰嚢姿にちなむ)
    • 犬死に

発音[編集]

東京式アクセント[編集]
い↗ぬ↘
京阪式アクセント[編集]
い↘ぬ

翻訳[編集]

関連語[編集]

名詞: 戌[編集]

いぬ

  1. 十二支の11番目。
  2. 年・月・日・時刻の名の一つ。その内11番目の劃。
  3. 方角の一つ。方位角300度。

関連語[編集]

十二支
文字 動物 方位
八卦
:カン)
チュウ うし 北東(:ゴン うしとら
イン とら
ボウ :シン)
シン たつ 東南(:ソン たつみ
うま :リ)
ひつじ 南西(:コン ひつじさる
シン さる
ユウ とり 西:ダ)
ジュツ いぬ 北西(:ケン・カン いぬい
ガイ

造語成分[編集]

いぬ

  1. (接頭辞)似而非むだ罵吻の意。

動詞・往[編集]

いぬぬ・ぬ】

  1. (西日本方言)帰る。去る。
    • それが飛びつくやうに「しめおん」の頸を抱くと、喘ぐやうに「私が悪かつた。許して下されい」と囁いて、こなたが一言も答へぬ間に、涙に濡れた顔を隠さう為か、相手をつきのけるやうに身を開いて、一散に又元来た方へ、走つて往んでしまうたと申す。(芥川龍之介奉教人の死』)
終止形・連体形は「いぬる」となることもある。

語源[編集]

古典日本語「いぬ」 < 日本祖語 *(s)inu


古典日本語[編集]

名詞・犬[編集]

いぬ

  1. (動物)犬。
  2. 密偵

発音[編集]

二拍名詞三類

平安時代[編集]
いぬ
南北朝時代以降[編集]
い↘ぬ

名詞・戌[編集]

いぬ

  1. (現代語に同じ)戌。

動詞・往[編集]

いぬぬ・ぬ】

  1. (今いる場所から)はなれる、遠くへ行く。
  2. (季節などが)る。
  3. 死ぬ」の婉曲表現。

活用[編集]

い-ぬ 動詞活用表日本語の活用
ナ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ぬる ぬれ

語源[編集]

日本祖語 *(s)inu

発音[編集]

二拍動詞一類

↗いぬ

関連語[編集]

動詞・寝[編集]

いぬぬ】

  1. 寝る
    • 紙燭さしてまいれ随身も、弦打して、絶えず声づくれとおほせよ。人離れたる所に、心とけていぬるものか。惟光朝臣の来たりつらむは(紫式部源氏物語夕顔』)
      紙燭を点けてこちらへ来い。「随身も、弦打ちをして、絶えず音を立てていよ」と命じよ。人気のない所に、気を許して寝ている者があるか。惟光朝臣が来ていたようであるが。

活用[編集]

い-ぬ 動詞活用表日本語の活用
ナ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ぬる ぬれ ねよ

語源[編集]

名詞「」(寝ること)+動詞「」(「ねる」)

関連語[編集]