おちゃっぴい

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日本語[編集]

語源[編集]

  • 遊女がいない間に挽くことを「お茶引き(おちゃひき)」と呼んでいた[1]。この「おちゃひき」から転じて「おちゃっぴい」となったとされる[1][2]。「お茶引き」の元の意味から「おちゃっぴい」がおしゃべりな女の子を指すようになった経緯は不明[1]。おしゃべりばかりの遊女は客がつかず、よくお茶ひきをさせられていたから、という説がある[2]
  • 「お茶引き」から転じたのではなく、「おしゃっぴ」や「おちゃっぺ」のような似た音と意味の方言があることから、「お(おしゃべ)」から転じたとする説もある[3]

名詞・形容動詞[編集]

おちゃっぴい

  1. (俗語) 女の子おしゃべりで、出しゃばりであったりませていたりすること。または、そのようなさま。
    • 雑巾を掴んで突っ立った、ませた、おちゃっぴいな小女の目に映じたのは、色の白い、卵から孵ったばかりの雛のような目をしている青年である。(森鴎外『青年』)〔1910年-1911年〕[4]
    • 若い娘たちがその仲間と一緒に喋るとき、大人の目と耳でそれがたとえ幼稚でもおちゃっぴいでも、本人たちはそれぞれ一城の主で縦横にやっている。(宮本百合子『若い娘の倫理』)〔1940年〕[5]
  2. (俗語) おしゃべりで、出しゃばりであったりませていたりする女の子
    • おいらが垣根を登ったなんて密告をした奴は煙草屋のおちゃっぴいだ。おいらをぶん撲って縛った奴は自身番の耄碌おやじだ。(岡本綺堂『半七捕物帳』)〔1917年-1936年〕[6]

活用[編集]

類義語[編集]

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 小松寿雄・鈴木英夫(2011)『新明解語源辞典』三省堂、175項 ISBN 978-4-385-13990-6
  2. 2.0 2.1 学研辞典編集部編(2014)『日本語語源辞典』第2版、学研教育出版、130項 ISBN 978-4-05-304064-0
  3. 増井金典(2010)『日本語源辞典』初版、ミネルヴァ書房、142項 ISBN 978-4-623-05494-7
  4. 青空文庫(2000年12月22日公開)http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/2522.html 2018年2月2日参照。底本:「青年」新潮文庫、新潮社、1998年2月15日85刷。
  5. 青空文庫(2003年5月26日作成)http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3115_10713.html 2018年2月2日参照。底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第5刷。
  6. 青空文庫(1999年6月1日公開、2012年6月12日修正)http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/965_14983.html 2018年2月2日参照。底本:「時代推理小説 半七捕物帳(一)」光文社文庫、光文社、1985年11月20日初版1刷。