それでいて

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日本語[編集]

接続詞[編集]

それでいて

  1. 前文内容であることを強調しつつ、前文の内容と比べて意外または一見反対なことを続けるときに用いる。
    • 1935年、北大路魯山人「蝦蟇を食べた話」[1]
      山椒魚は手に入れるのが困難だが、反対にいくらでも手に入るもので、しかも、滅多に人の食わないもの、それでいて、相当の珍味を有するものと言えば、日本の蝦蟇だろう。
    • 1948年、太宰治「人間失格」[2]
      それは、自分の、人間に対する最後の求愛でした。自分は、人間を極度に恐れていながら、それでいて、人間を、どうしても思い切れなかったらしいのです。
    • 1958年、江戸川乱歩「夜光人間」[3]
      あとでわかったのですが、杉本さんは、いくつもの会社の重役をつとめているお金持ちでした。それでいて、まだ四十歳ぐらいの若さなのです。

類義語[編集]

脚注[編集]

  1. 青空文庫、2012年8月20日作成(底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社、2008(平成20)年5月15日改版14刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/files/54977_48524.html
  2. 青空文庫、1999年1月1日公開、2011年1月9日修正(底本:「人間失格」新潮文庫、新潮社、1985(昭和60)年1月30日100刷改版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html
  3. 青空文庫、2018年6月29日作成(底本:「奇面城の秘密/夜光人間」江戸川乱歩推理文庫、講談社、1988(昭和63)年6月8日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/56684_65242.html