なんて

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

副詞[編集]

なんてて】

  1. 驚いたり、感心したりする気持ち表す
    • いささかでも、美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、/「なんて、いやな子供だ」/ と頗る不快そうに呟き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、その写真をほうり投げるかも知れない。(太宰治「人間失格」『展望』1948年)
  2. どのように。何と。
    • 細君は、編みかけの赤とオリイヴ色とが交ったネクタイをいじりながら返事をしなかった。/ 「ねえ、本当に何て云ったんだ?」Aは、飲みかけの紅茶をさし置いて追及した。(渡辺温「花嫁の訂正--夫婦哲学--」『新青年』1929年)

関連語[編集]

翻訳[編集]

連体詞[編集]

なんてて】

  1. 何という。
    • 「遣られましたよ。御覧なさい、この時計だって前から毀れていたものです。畜生、何て野郎だろう、あの女の図々しいったらありゃしない、一つとっちめて遣らなくちゃ――」(牧逸馬「夜汽車」『探偵文藝』1925年)

助詞[編集]

なんて

  1. 軽んじたり、遠まわし言うことを表す。
  2. あることを例示して疑問思う気持ちを表す。
  3. 出る同格であることを表す。
    • 大久保恒次さんの『うまいもん巡礼』の中に、「古川緑波さんの『色町洋食』という概念は、実に的確そのものズバリで」云々と書いてある。ところが、僕は、色町洋食なんて、うまい言葉は使ったことがないんだ。(古川緑波『色町洋食』)