のびる

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日本語[編集]

動詞[編集]

のびるびる、びる、びる】

  1. 曲がっていたものがまっすぐなる
    • 四羽の雌と雄とが、丸い小さい紅や鶯茶の体で、輝く日だまりにチチ、チチと押しあいへしあいしているのを見ると、しかんだ眉も自らのびる。(宮本百合子 『小鳥』)
  2. ものが長くなる。
    1. 引っ張られるなど力が加えられてものが長くなる。
      • これが私の家の餅だ。この餅を同じように焼いてお見せするから、泥棒の餅とくらべてごらんなさい。中を割って、ツキぐあいを見れば一目でわかる。さ。手にとって、中を割ってごらんなさい。一方はツブだらけ、私のにはツブがなく、ひッぱればアメのようにのびる。(坂口安吾 『餅のタタリ』)
    2. 同類のものがつながれ長くなる。
      • 捕捉率が分ると、或る気象条件の場合に、着氷がどれくらいの速度でのびるかという見当がつく。(中谷宇吉郎 『樹氷の科学』)
    3. 露出されて見える部分が長くなる。
      • 娘はまッ赤になってうつ向いてしまう。白い襟脚がのびるだけのびて、頭巾の端がタラリとなやましげに――。/「まるで師宣の絵じゃあないか」(吉川英治 『江戸三国志』)
    4. ある方向に向かって出る。
      • さかずきが飛ぶ。箸が伸びる。徳利の底をたたく――長夜の飲。(林不忘 『丹下左膳 乾雲坤竜の巻』)
    5. (植物や身体が)成長する。
      • 庭の若草の芽も一晩のうちに伸びるような暖かい春の宵ながらに悲しい思いは、ちょうどそのままのように袖子の小さな胸をなやましくした。(島崎藤村 『伸び支度』)
      1. 能力などが高まる
      2. 発展する。
  3. 予定されていた開始時又は終了時が遅れ、それまでに達する時間が長くなる。
  4. スープに浸った麺類放置されるなどして、水分を吸って麺がぐずぐずになる。
    • この「もり」の水が切れるか切れないかというちょっとした間は、蕎麦の一番旨いものとされているのであります。水気が多く残っていてもいけないし、またもそもそにのびてしまってはなおさらいけないもので、旨いという時は水気を切ったその時であります。(村井政善 『蕎麦の味と食い方問題』)
  5. 疲労暴力による苦痛ぐったりする。
    • やうやく此処へ辿りつく頃には常に益々モーローとして、一番手近かなソファーを見つけて忽ちグッタリのびてしまふ。(坂口安吾 『風人録』)
  6. (道などが)ある方向へ向かう、又は、つながっている。
    • 東に伊賀伊勢方面へ、西に河内方面へ、と東西にのびる道が三輪の町で丁字形に岐れて奈良方向へ北上している。(坂口安吾 『安吾の新日本地理 飛鳥の幻――吉野・大和の巻――』)
  7. (複合動詞の一部として)危機を脱し、命を永らえる

活用[編集]

語源[編集]

対義語[編集]

関連語[編集]

翻訳[編集]

語義2

名詞[編集]

のびる

  1. ネギ属多年草Allium macrostemon