やがる

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日本語[編集]

助動詞[編集]

やがる

  1. (俗語) 動詞助動詞連用形に付き、その動詞・助動詞の動作への軽蔑非難を表す。
    • 1910年、小川未明「悪魔」[1]
      「嘘だよ。」と白々しく言った。「なんで嘘なぞ言うのだ。人を吃驚させやがって。」
    • 1926年、葉山嘉樹「労働者の居ない船」[2]
      ――滅茶苦茶に手前等は儲けやがって、俺たちを搾りやがるから、いずれストライキだよ。吠え面かくな――と彼は心の中で思った。
    • 1953年、坂口安吾「町内の二天才」[3]
      結婚式も借着の紋付ですました野郎が、新調の紋付をきて、商売を休んで、鼻たれ小僧の手をひいて、静々と将棋大会へでかけやがったじゃないか。それで負けて帰りやがった。ざまアみやがれ
    • 1932年、蘭郁二郎「古傷」[4]
      『なんでェ、俺よか、酔ってやがる』/内田君は熱っぽい顔をして床を睨んだ。

活用[編集]

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形 活用型
やがら やがり
やがっ
やがる やがる やがれ やがれ 動詞五段型

[編集]

  1. 青空文庫(2021年3月27日作成)(底本:「文豪怪談傑作選 小川未明集 幽霊船」ちくま文庫、筑摩書房、2010(平成22)年5月25日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/53141_73017.html
  2. 青空文庫(2010年1月26日作成)(底本:「日本プロレタリア文学全集・8 葉山嘉樹集」新日本出版社、1989(平成元)年3月25日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000031/files/2936_38059.html
  3. 青空文庫(2009年4月19日作成)(底本:「坂口安吾全集 14」筑摩書房、1999(平成11)年6月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42959_34964.html
  4. 青空文庫(2006年11月13日作成)(底本:「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房、2003(平成5)年6月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000325/files/43437_24884.html